日本ワイン「グランポレール」(サッポロビール)の新たな挑戦だ。北海道余市産ぶどう使用の3アイテムを11月14日から限定発売。ブランド初の瓶内二次発酵スパークリングも登場する。
20周年を迎えた同ブランドは今年から「想いをつなぐ日本ワイン」を新コンセプトに掲げ、ラベルデザインも6月に刷新した。
今回はブランド初の瓶内二次発酵スパークリング「グランポレール 余市ピノ・ノワール ブラン・ド・ノワール〈トラディショナル・メソッド〉2020」が登場。赤ぶどうであるピノ・ノワール種を使った、辛口の白スパークリングだ。
「正統派の瓶内二次発酵スパークリングを作りたかった」と語るのは、ブランドのチーフワインメーカーを務める工藤雅義氏。スパークリング用の製造設備を19年に導入後、製品化の機会をうかがっていたという。
ぶどう生産を担う契約栽培農家の弘津ヴィンヤードでは、咲き終わった花のかすにエアを吹き付け丁寧に取り除くことで病害を防ぎ、すべて手摘みで収穫するなど、最高品質のぶどう作りへ手間を惜しまない。
「日本ではピノ・ノワールの栽培は一般に難しい。なぜ弘津さんに頼んだかといえば、ぶどう栽培にかける情熱。花かすをエアで飛ばすのも弘津さんのアイディアで、情熱と意志がある生産者だと考えた」(工藤氏)。
果皮の黒い色調の抽出を抑えるためゆっくり低圧で搾汁し、一次発酵。瓶詰め後に7か月の二次発酵を経て、さらに約20か月かけて熟成。ぶどう収穫から完成まで2年半の歳月を要する。
弘津ヴィンヤードのピノ・ノワールのうち小ぶりな房を選び、凝縮感と複雑さを表現した「余市ピノ・ノワール〈登町selection 〉2018」、余市産のぶどう3種を最適な比率でブレンドした「余市ぶどうのスパークリング」も発売する。
6日に行われたトークイベントでは、ブランドアンバサダーでソムリエの大越基裕氏が登壇した。
大越氏は「温暖化が進むなか、クールクライメイト(冷涼な気候)の北海道がぶどう産地として注目を集めている。道内でも2つの産地でワインを造っているのはグランポレールくらい。国内にこれだけの拠点で同じフィロソフィーで造っているワイナリーは他になく、今後が楽しみ。ぜひ北海道のワインにご期待いただきたい」とアピールしていた。