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家庭用冷凍食品 セット物が100億円市場に拡大 ニップン「よくばり」シリーズ先行、各社も注力

家庭用冷凍食品で主食とおかずをセットにしたワンプレート商材が売場を拡大している。インテージSCIデータによると、冷凍調理セット物市場の販売金額は過去5年で2倍以上に拡大し、22年度(4~3月)は100億円を超えてきた。先行したニップンが「よくばり」シリーズで首位を快走するが、22~23年にかけて業界大手が新商品を次々に投入し、市場はさらに勢いを増している。

冷凍食品の調理セット物は、「ご飯×おかず」「パスタ×主菜」などがワンプレートになっており、電子レンジ調理で手軽に食べられる。ハンバーグ、チキン南蛮、麻婆豆腐、さばの味噌煮、きんぴらなどの人気メニューがバランス良くセットされた満足度の高さがポイントだ。スーパーでの店頭売価は300円台後半が多い。コンビニ弁当や外食チェーン店との比較では価格面の優位性が感じられる。

市場規模(出典:インテージSCIより推計)は21年度約77億円、前年比140%、22年度約103億円、同133%と拡大。直近は各社の価格改定で買い控えが懸念されたものの、23年4~9月も前年を大きく上回った。

インテージ市場アナリストの木地利光氏は「手軽な価格でバランスの良い食事を摂れることが支持されているものとうかがえる」と分析する。

カテゴリーシェア1位のニップンは、上期(4~9月)家庭用冷凍食品売上のうち、ワンプレートの「よくばり」シリーズが前年同期比1・5倍以上となった。和風・洋風メニューを多彩にラインアップし、売れ筋のトップ3は「よくばり御膳 五目ご飯と鶏と野菜の黒酢あん」「同 鶏めしとチキン南蛮」「よくばりプレート 完熟トマトソースハンバーグ&ミラノ風ドリア」の順。

同社は「ワンプレートは15年から本格展開。当初は洋風メニュー中心で主婦や若年男性の購入比率が高かったが、18年に和風の『よくばり御膳』を発売しシニアの男女にも広がった。10品目以上入った満足感や環境に配慮した紙トレー使用も人気の秘訣」と話す。店頭での売行きも上々で、今秋は主力品中心にさらなる配荷拡大を図った。

ニッスイは、22年秋から人気シェフ監修の「まんぞくプレート」シリーズとして「ふっくらごはんと豚肉生姜焼き」などを展開する。釜炊きでふっくらした白ごはんと定番料理のセット。今秋は新商品「ふっくらごはんと四川風麻婆豆腐」を発売した。

ニチレイフーズは、23年秋に「三ツ星プレート」シリーズを立ち上げた。「デミグラスハンバーグ&ナポリタン」「チキンステーキ&クリームパスタ」など3品。山形工場の自家製生パスタに、業務用で培った高品質なハンバーグやチキンをセットにした。

マルハニチロの「おかずプレート」シリーズ(23年春発売)は、主菜と副菜をバランス良く組み合わせた。からだを気づかう単身世帯らの需要を見込む。今秋は「みぞれ煮風チキンカツ」と「ロールキャベツ」の2メニューを加えた。

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