10.5 C
Tokyo
10 C
Osaka
2025 / 12 / 10 水曜日
ログイン
English
逆光線(コラム)過熱する日本食ブームと水産物の輸入停止

過熱する日本食ブームと水産物の輸入停止

中国の日本産水産物の輸入停止措置から2か月近くが経ち、ロシアも規制参加の意向を表明。科学的根拠を無視した政治的な色が濃くなっている。日本の食品輸出額は1.4兆円にまで拡大。政府は30年の5兆円を目標に掲げる。輸出先トップは中国で、2位が香港。禁輸で受ける打撃は小さくない。

▼外食需要回復の鈍さなどから、一時は多くの食材が都市部の冷凍倉庫を占拠した。現在は行き場を失った水産物が地方の倉庫の在庫率に影響を与えている。中国で人気のホタテは22年の輸出額が40%増の910億円。成長を続けてきただけに今回の措置には水を差された格好だ。

▼海外の日本食ブームが止まらない。中国以外のアジアでも過熱している。タイ・バンコクでは高級寿司店が急増。日本人の職人が腕を振るう店の客単価は2~3万円と現地の大卒初任給の半額。決められたメニューを提供する「オマカセ」が一般的だ。

▼日本食の流行とともに国内製造の食器が世界で売れている。高級皿は価格競争で疲弊した日本では売れない。海外に活路を求める企業の動きが続きそうだ。

関連記事

インタビュー特集

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。

J-オイルミルズ春山社長 次元の異なるコスト環境 油脂、価格引き上げ急ぐ

J-オイルミルズの春山裕一郎社長執行役員CEOは、油脂のコスト環境が悪化する中で、「価格改定の浸透を急ぐ」方針をあらためて強調した。

新潟・葵酒造、2年目は自社栽培米で仕込む 「Domaine Aoi」始動 「日本酒になじみがない方にも」青木代表

「飲むことで幸せを感じられるような日本酒を提供していきたい」と話すのは葵酒造(新潟県長岡市)の青木里沙代表取締役。昨年冬、JR長岡駅からほど近い場所に位置する創業160年超の旧高橋酒造から事業を引き継ぎいだ。

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。