「綾鷹」ライトユーザー獲得に注力 「鬼滅の刃」とのコラボに加えて食提案や「綾鷹カフェ」と連動した売場づくりも展開

 コカ・コーラシステムは緑茶ブランド「綾鷹」で無糖茶飲料に向けて「綾鷹」本体(緑茶)を軸足に、これに続く第2の柱として「茶葉のあまみ」と「濃い緑茶」に注力する。

 一方、日本茶ラテ飲料市場に向けては「綾鷹カフェ」での提案を強化していく。

 「綾鷹」本体は昨年、“急須でいれたお茶”の価値訴求に注力。これにより、ヘビーユーザーのつなぎとめにはつながったものの、ライトユーザーの獲得に課題を残す結果となった。

 取材に応じた日本コカ・コーラの助川公太緑茶事業部部長は「緑茶飲料ユーザーは週1回程度の頻度で飲まれる飲用者以上に、他社商品を買い回る月1回程度の頻度で飲まれる飲用者が非常に多く存在する。昨年は価格に反応された方などがPBを含めて他の緑茶飲料に流れてしまったところが一番の痛手だった。今年はライトユーザーを取りこぼさないように『綾鷹』を“買い回る選択肢”に選んでもらえるようにすることを意識して活動している」と語る。

日本コカ・コーラの助川公太緑茶事業部部長 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
日本コカ・コーラの助川公太緑茶事業部部長

 この考えのもと、2月には「綾鷹 桜デザインボトル」の発売に伴い、季節を楽しむキャンペーンやアニメ「鬼滅の刃」とのコラボキャンペーンを実施。桜の季節を先取りした施策で需要を喚起していった。

 続いて4月には「鬼滅の刃」限定デザインボトルの販売を開始した。
 「鬼滅の刃」の11の人気キャラクターがコンビで並ぶデザインの「綾鷹」本体(緑茶)「綾鷹 ほうじ茶」「綾鷹 茶葉のあまみ」を取り揃え、限定デザインボトルを通じて、オリジナルオーディオコンテンツ「綾鷹コソコソ噂話」の提供や「鬼滅の刃」オリジナルグッズが必ずもらえるキャンペーンなどを展開した。

 飲料最需要期の夏場も引き続きアニメ「鬼滅の刃」とコラボしたサマーキャンペーンを展開してライトユーザーの取り込みを強化している。

 秋以降は、2月に始動した「日本のお米応援プロジェクト」に本腰を入れる。

 「食事シーンは緑茶飲料の飲用シーンのトップ3に間違いなく入る。やはり緑茶飲料を買い回る層は当然、食事と一緒にお茶を飲まれる。その時に“食事と一緒に飲むなら『綾鷹』”ということをより強く認識してもらうためのメッセージを伝えていきたい」。

 これまで毎年秋に同様の企画を実施してきたが、今年は年間を通じて行っていく。

 「秋の単発というよりも、年間を通じて細々とでもしっかりと地道に活動していくことが大事」とみている。

 店頭では「綾鷹」本体と「綾鷹カフェ」を連動させた売場づくりに取り組む。

 「昨年まで『綾鷹カフェ』は『綾鷹カフェ』の認知を獲得すべく単独の活動が多かったが、今年はブランドの活動の中に『綾鷹カフェ』を入れて、『綾鷹』全体の売上拡大とともに『綾鷹カフェ』の認知を上げていきたい」と意欲をのぞかせる。

 「綾鷹」第2の柱は販売チャネルに分けて優先順位を変更。
 コンビニに向けては、2月に機能性表示食品にリニューアル発売して好調に推移している「濃い緑茶」を第2の柱と位置付け育成に取り組んでいる。

 一方、コンビニ以外の手売りチャネルや自販機に向けては「茶葉のあまみ」に注力。

 「茶葉のあまみ」は中味とパッケージに磨きをかけて4月10日にリニューアル発売。「より爽やかで甘みのある瑞々しい緑茶を感じてもらえるようにした」。