21.4 C
Tokyo
19.9 C
Osaka
2025 / 11 / 17 月曜日
English
飲料系飲料「アーモンド効果」のおすすめ大作戦 「購入理由が明確にイメージできていない」ライトユーザーを開拓
2025台湾食品調達商談会 in Osaka by 台湾貿易センター

「アーモンド効果」のおすすめ大作戦 「購入理由が明確にイメージできていない」ライトユーザーを開拓

江崎グリコは今年、アーモンドミルクのトップブランド「アーモンド効果」で“推奨”をテーマに掲げ、家族・知人らに「アーモンド効果」を薦めることを促す“おすすめ大作戦”を実施している。

対象商品は200ml全般。目的はライトユーザーの獲得にある。

アーモンドミルク市場は2022年、金額・数量とも横ばいになったと推定される。この中で市場の9割強のシェアを握る「アーモンド効果」は、伸びが鈍化したものの堅調に着地したという。

江崎グリコ健康事業マーケティング部の増田秀人氏
江崎グリコ健康事業マーケティング部の増田秀人氏

伸びが鈍化した理由について、取材に応じた江崎グリコ健康事業マーケティング部の増田秀人氏は「あらゆる物の値段が上がっている中で、比較的、高い価格帯にあるアーモンドミルクの購入者人数が減ってきてしまった。特にライトユーザーが抜け落ちてしまった」と語る。

昨年は、価格コンシャスの動きに加えて、乳酸菌飲料やアーモンドミルク以外の植物性飲料へのユーザー流出もみられたという。これらの動きを受け、今年は価値訴求を強化して再活性化を図っていく。

その際、着目したのが“推奨”。

「アーモンドミルクへの流入経路を調べてみると、親や友達といった自分が信頼できる第三者から勧められて試される方のボリュームが増えていることが判明した。その後のリピートにもつながっていることもみえてきた」と着目の理由を説明する。

なぜ薦められるとトライアルに結びつくのか――。

これには、依然、アーモンドミルクの理解がさほど浸透していないことが背景にあるという。

「“アーモンドミルクを知っているけど買ったことのない人”を分析すると“飲んでみようと思うハッキリとした目的が分かっていない”といったところが一番大きく 、そのために身近な方からの推奨が響くのだと思われる」との見方を示す。

おすすめ大作戦は春先から展開。

4月の新生活、母の日という贈答機会に向けてツイッターのオープンキャンペーンを実施している。「当選すると、当事者に加えて、当事者の信頼する人や大切な人に商品が贈られる企画で、母の日以降も父の日も実施していく」。

推奨が起こりうる場所として、スポーツジムやエステ施設でのサンプリングも実施している。

「健康や美容への関心の高いターゲットが集まるコミュニティの中で、会話をしながら『アーモンド効果』を体験していただくことで広がりつつあることから、それをさらに加速させたい」と述べる。

松島花さんと滝藤賢一さんを起用した新TVCM「効果をカラダに。妻のおすすめ」編
松島花さんと滝藤賢一さんを起用した新TVCM「効果をカラダに。妻のおすすめ」編

松島花さんと滝藤賢一さんを起用した新TVCM「効果をカラダに。妻のおすすめ」編の内容も“推奨”をメインに据える。

「4月26日に放映開始し、放送前との比較で検索者数が約1.5倍に急増した。CMは年間通じて投下していくが、需要が高まるタイミングに山場をつくりメリハリをつけながら投下していく」。

アイテム別では、昨年好調となった「3種のナッツ」に最注力していく。

その理由については「アーモンドミルク全般で乳酸菌飲料などへの流出がみられた一方で、『3種のナッツ』は逆に、野菜飲料や果実飲料からの流入がみられた。“自分に必要な栄養が摂れる”といったイメージで支持されている」と説明する。

容量は、ライトユーザーのトライアル獲得を目的にしていることから「3種のナッツ」を中心に位置づけ200mlに注力していく。

1Lは昨年、価格コンシャスの高まりが痛手となり足踏み状態となった。

今年は、2月に実施された価格改定でさらなる厳しい環境に置かれることが予想される中、売上の構成比の半分以上を占めるヘビーユーザーの人数は減っていないため、ヘビーユーザーの飲用量拡大につなげるべくポイント還元施策や朝食キャンペーンなどを展開して需要喚起に取り組んでいる。

業務用の「For Barista and Chef」では「採用が広がっており、今後はカフェとのコラボをさらに強化していく」。
アーモンドミルク市場については「昨年よりも伸びるとみている。世の中がアフターコロナに向かい、外出機会の増加に伴い消費も促進されるとみている」と語る。

関連記事

インタビュー特集

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。

明星食品 新提案「麺の明星 主食麺宣言!」 4つの軸の袋麺アレンジで食事性アップ

明星食品は、こだわりの麺技術で開発した商品ラインアップを全面に押し出し、新たに「麺の明星 主食麺宣言!」と銘打ったプロモーションを大々的に展開している。

イチビキ 中村拓也社長 豆みそ・たまりNo.1の矜持を 人口減睨み業務用・海外強化

安永元年(1772年)創業の醸造・食品メーカー、イチビキ。今年6月20日付で同社社長に就いた中村拓也氏は、98年入社。

「大豆ミート」対談 マルコメ・日本製鋼所 次世代型食品へ課題と提言

健康志向が高まり、プラントベースフード(PBF)にも関心が集まる中、2023年9月に大豆ミートメーカー5社が発起人となり、「日本大豆ミート協会」が設立された。

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点