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トップニュース免疫ケアを“国民ゴト”に キリンビバレッジ吉村社長が意欲 「プラズマ乳酸菌」飲料の製造ライン新設
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免疫ケアを“国民ゴト”に キリンビバレッジ吉村社長が意欲 「プラズマ乳酸菌」飲料の製造ライン新設

キリンビバレッジの吉村透留社長は5月30日、湘南工場(神奈川県寒川町)に新設された「プラズマ乳酸菌」入り飲料の製造ラインで会見に臨み、同飲料について「免疫ケアの習慣化が進んできたと実感している」と手応えを語り、さらなる商品展開や啓発活動を通じて「免疫ケアを“国民ゴト”にしていく」と意欲をのぞかせた。

今後は「プラズマ乳酸菌」入り飲料の旗艦アイテム「おいしい免疫ケア」を軸足に、商品ラインアップの拡充や自販機への導入など販売のチャネル拡大、免疫ケアの重要性の啓発活動などを通じて、さらなる顧客創出とともに、健康価値を軸とした高収益化飲料事業への転換を目指していく。

「プラズマ乳酸菌」入りの飲料は、4月単月に前年同月比43%増と大幅に伸長。中でも牽引役の「おいしい免疫ケア」(100㎖PET)は、昨年発売した前身商品の「iMUSE 朝の免疫ケア」に比べ約2倍の販売数量を記録した。

「免疫ケアニーズの高まりを背景に、前身の『朝の免疫ケア』でも好評だった飲みやすさに加えて、酸味やヨーグルト感を高めた満足感のある味わいに進化させたことや、100㎖という手軽に飲めるサイズ感が支持されている」(同)と分析している。

特に習慣化を狙う6本パックが好調なことから今後は免疫ケアのさらなる習慣化を目指し、顧客属性に合わせた接点づくりを強化していく。

すでに免疫ケアに取り組んでいる人へのアプローチとして、引き続き「おいしい免疫ケア」を提案。新たに免疫ケアを始める人に向けた商品としては「生茶 免疫ケア」「世界のKitchenからソルティライチプラス」など馴染みのあるブランドの力も活用しながら提案していく。

チャネル別の接点強化も図っていく。6月6日には、自販機ユーザーが習慣的に乳酸菌飲料を飲用していることを背景に、全国の自販機で大容量タイプの「おいしい免疫ケア」(200㎖PET)を新発売。「健康ケアを意識しながら小腹も満たしたい」とのニーズに対応するため通常品の2倍の容量にした。

「おいしい免疫ケア」(200㎖PET)(キリンビバレッジ)
「おいしい免疫ケア」(200㎖PET)(キリンビバレッジ)

6月28日からは全国のCVS・量販チャネルを中心に「おいしい免疫ケア カロリーオフ」(100㎖PET)を発売予定。

小型ヨーグルト・乳酸菌飲料市場でカロリーオフ・低糖・砂糖不使用対応が全体の3割を占めていることから開発された。「おいしい免疫ケア カロリーオフ」で糖質やカロリーを抑えつつ満足感のあるおいしさを求めるニーズに対応する。

今後の免疫ケア市場の見通しについて吉村社長は「感染症に関するリスクは消えておらず、免疫ケアの大切さに関する意識は高まっている」と述べる。

キリンの免疫ケア商品の強みについては「免疫の司令塔となる細胞に直接働きかける乳酸菌を商品化している点。免疫ケアは『見える化』がしにくい領域。継続的に摂取してもらい内側から免疫ケアしてもらうために、飲みやすいおいしさに加えて、手に取りやすいサイズ感にもこだわっている」と語る。

「プラズマ乳酸菌」の他社への外販については、「素材拡大の観点ではグループの方針もあるが、キリンビバレッジとしては市場を広げていく点で最も牽引していく立場にある。既存の自社ブランドが『プラズマ乳酸菌』や免疫ケアを進めるうえで役に立つのであれば引き続き展開していき、他のブランドについても消費者の需要に合わせて積極的に展開していく」と説明する。

今年は「プラズマ乳酸菌」入り飲料で、前年比53%増となる1千10万ケースの販売目標を掲げる。2027年までにキリングループ全体のプラズマ乳酸菌関連商品では500億円の市場規模を目指す。

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