コロナ禍の2年間で、外食産業は約9兆3千億円の市場を失ったことが分かった。日本フードサービス協会付属機関の外食産業総合調査研究センターがまとめた、21年(令和3年)1-12月の外食産業市場規模推計は前年比6.9%減の16兆9千494億円。コロナ禍1年目だった20年の18兆2千億円(前年比30.7%減)に続き、2年連続のマイナスとなった。
コロナ前の19年実績(26兆2千687億円)との比較では、35.5%のマイナス。21年は1月に2度目の緊急事態宣言、4月以降はまん延防止等重点措置が政府・各自治体から発令され、営業時間短縮や酒類提供の制限に加え、インバウンドや大企業の宴会需要が消失し、飲酒業態などが深刻な影響を受けた。コロナの影響は21年が底とみられ、22年からは回復が期待されるが、人手不足やコストアップが続く中でコロナ前の水準にどこまで戻せるかが焦点となりそうだ。
21年の外食産業市場規模推計によると、飲食店や宿泊施設、事業所給食などを含む「給食主体部門」は14兆9千億円(前年比4.1%減)。喫茶・居酒屋、料亭・バーなど「料飲主体部門」は2兆446億円(23.3%減)。
多くの業種で前年を下回った中で、ファーストフードのハンバーガー店、お好み焼き店を含む「その他の飲食店」が4.2%増とプラス。「集団給食」は、病院(0.9%減)を除き、学校、事業所(社員食堂、弁当給食)、保育所給食は前年を上回った。なお、持ち帰り弁当店や惣菜店などの「料理品小売業(事業所給食の弁当給食を除く)」は7兆1千億円(0.5%増)。
外食産業市場規模に、料理品小売業(弁当給食を除く)を加えた「広義の外食産業市場規模」は24兆655億円、前年比4.9%減となった。