スリランカ経済危機「現時点でセイロン紅茶の調達不安はない」 ピュアセイロンティー「マブロック紅茶」輸入販売会社エム・シー・フーズが回答

 高品質な100%スリランカ産茶葉のみで作られたピュアセイロンティー「マブロック紅茶」を輸入販売するエム・シー・フーズの手代木和人社長は、7月22日取材に応じ、スリランカの破産宣言などに関する報道に対して「現時点でセイロン紅茶の調達不安はなく、これまで同様に安心安全な茶製品を安定的に供給させていただく」と回答した。

 同社が収集した情報によると、スリランカは既に5月に実質的なデフォルト(債務不履行)状態に陥っており、7月6日から報じられている破産宣言で急激に事態悪化が進行することはないとみている。

 ただし深刻な燃料・ガス・医薬品の不足などに直面して今後も厳しい状況が予想される中、紅茶産業については「生産・輸出に一定の優遇を受け、獲得した外貨で電力、動力源のための燃料を直接購入・輸入しており、産業自体は機能している」との見方を示す。

 中でも「マブロック紅茶」のサプライヤー企業は、スリランカ最大規模の茶園・茶生産者・製茶工場を擁する最大のコングロマリット企業で事前に充分な燃料や資材などを備蓄。
 加えて、グループ傘下に包材資材会社や海運会社も保有していることから、茶の生産から製品輸送に至るまでのサプライチェーンはほぼ通常通り機能しているという。

 そうした中、従業員の生活面など依然予断を許さない状況にあり「今後状況が急変するようなことがあれば、その都度、情報を共有させていただく」とした。
 一方、昨年5月に、スリランカ政府による農業政策転換(有機栽培化促進)により、化学肥料の輸入禁止措置がとられた結果、肥料不足に陥った。

 その後、スリランカ政府は方針を変更し同措置を半年で解除したが、時すでに遅く、これに天候不順が重なり、2021年11月~2022年4月までの6か月間の生産量は12万7000tと前年同期比で81.3%(2万9000t減)と大幅な減産となった。

 他方、依然として需要は堅調で、産地価格が上昇。これに海上運賃の値上げと円安が重なり、最終製品・原料の値上げは避けられない状況になっているという。