ペットボトル（PET）入り嗜好飲料の「クラフトボス」がコーヒー・紅茶を起点にカテゴリーの領域を拡大して好調を維持している。
9月13日には、ラインアップに「BOSS（ボス）」ブランド発売30周年を象徴するPETコーヒーとして「オールドブラック」と「メローラテ」の新商品2品を加えて勢いを加速させる。
新商品2品の役割について、「ボス」広報を担当するジャパン事業本部コミュニケーション本部広報部の蛭田順也氏は「PETコーヒーの中でも、少し濃いめの味わいや苦み、深みを味わいたいお客様に対応していく」と説明する。
これにより、注ぎたてのクリアな味わいを特長とする「クラフトボス」コーヒーシリーズの既存品では取りきれないニーズに対応していく。
濃いめの味わいのPETコーヒーは、これまでも一部の売場で展開していたが、今回は原料と製法にこだわり、濃いめへの本格チャレンジとなる。
シャンパン酵母発酵コーヒー豆を使用して「円熟味のある心地よいコクとコーヒー由来の甘みを実現」。
シャンパン酵母発酵コーヒー豆は、収穫・精選・発酵・輸送・焙煎の全ての工程にこだわったコーヒー豆となる。「こだわりの一例を述べると、輸送時は一般的に使われる麻袋（またい）ではなくバリア性の高いアルミパウチを使い鮮度を追求している」。
これに、「クラフトボス」シリーズで採用している多段階抽出技術を取り入れ、エスプレッソ抽出のコーヒーとドリップ抽出のコーヒーを組み合わせることで、よりコクのある深い味わいに仕上げたという。
「メローラテ」では乳脂肪と乳たんぱくのバランスにもこだわり「キレがありつつも飲みごたえを感じる味わいになっている」。
この新商品2品を含めた「クラフトボス」のコーヒーシリーズは、映画に関連したキャンペーンに伴い、映画をテーマにしたラベルデザインを採用し9月13日から発売している。
TVCMは、「クラフトボス」単体では当面予定はなく、「ボス」発売30周年を伝える「宇宙人ジョーンズ・禁じられた惑星」篇を放映している。
広告出稿量は「昨年の秋冬に比べると1.5～1.8倍を予定している」という。
「クラフトボス」は昨年、販売数量が過去最高を記録し4000万ケースの大台を突破。今年1－8月も前年を上回った。
牽引役はコーヒーシリーズの「ブラック」で「非常に好調」という。
その要因として、注ぎたてのクリアな味わいで主に夏場の止渇ニーズに対応した点を挙げる。
「止渇性を求められる場合、ラテの場合は甘いラテとスッキリしたラテで嗜好性が分かれるのに対し、ブラックはそうではなく、クリアな味わいを追求してきたことが奏功した」と述べる。
「クラフトボス」の商品ポートフォリオは、コーヒーシリーズ・紅茶シリーズ・憩いをテーマにしたラテシリーズの3つに大別される。
この春に立ち上げた「クラフトボス」の新シリーズ「ミルキープレッソ」はコーヒーシリーズに属するが、乳原料に植物性素材を加えてチルドカップなどと遜色ない乳飲料並みのミルク感を打ち出したという点では新たな柱と捉えることもできる。
紅茶シリーズは、「フルーツティー」「レモンティー」「ミルクティー」の中味に磨きをかけ500mlから600mlに増量し3月にリニューアル発売したところ上昇基調にある。
「紅茶にビタミンCや塩分などの成分を加えた『太陽のアセロラティー』や『ソルティライチTEA』もご好評をいただいた。紅茶シリーズは冷凍できる点も特徴で夏場は持ち運びや旅行にも重宝したとのお声もいただいた」と振り返る。
憩いをテーマにしたラテシリーズでは、8月2日に新発売した「フルーツオレ」が好発進。「今年の新商品の中で最も初速の動きがよかった」という。
「抹茶ラテ」は昨年、発売開始から14日間で2600万本を突破した裏返しで伸び率としては足踏みしているが、9月6日のリニューアル発売以降、再び拡大傾向にある。
「『クラフトボス 抹茶ラテ』はミルク好きな方に選ばれてきたが、今回、ミルク感とともに抹茶感も高めてご好評をいただいている。今回、抹茶感を強めたことで、抹茶の苦味や風味を求めるお客様にもご購入いただくようになった」と語る。
ラベルも刷新し、由緒正しい和ラテを印象付ける八角形のモチーフに昭和モダンなフォントで商品名を記載。「ほうじ茶ラテ」もラベルのみ「抹茶ラテ」同様のデザインにリニューアルした。
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