ファミリーマートから新クレープ登場  「10年くらい上位を占めている食感」に着目 試行錯誤で編み出された3つのこだわりとは?

 ファミリーマートは21日、「ファミマ・ザ・シリーズ」初のスイーツとして「ファミマ・ザ・クレープ」を新発売する。

 これは前身商品「生チョコのもちもちクレープ」に磨きをかけた新クレープで「生チョコ」と「ティラミス」の2品を品揃えする。

 「生チョコ」は前身商品の生チョコを踏襲し「ファミマ・ザ・クレープ」では主に3つの点にこだわり通常の開発期間の倍以上となる8ヵ月かけて開発された。

 特にこだわったのが“もちもち食感”。

左から杉本隆彦商品本部FF・スイーツ部スイーツグループスイーツ担当、マーケティング本部メディア&プロモーション改革推進部プロモーショングループの大谷萌氏 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
左から杉本隆彦商品本部FF・スイーツ部スイーツグループスイーツ担当、マーケティング本部メディア&プロモーション改革推進部プロモーショングループの大谷萌氏

 取材に応じた杉本隆彦商品本部FF・スイーツ部スイーツグループスイーツ担当は「“もちもち”というワードはここ10年くらい上位を占めている食感。クレープ粉の配合ほか、焼き方・焼く時間・焼く温度の全てが合致しないと、絶妙なもちもち感が出せず、その調整に苦労した。実は、もちもちし過ぎてもおいしくなく、メーカーさまのご協力のもと試作とモニタリングを重ねながら編み出していった」と振り返る。

 具体的には、水を抱き込みやすい高吸水タイプの小麦粉に、もち大麦粉やタピオカでんぷんを配合したオリジナルのクレープ粉で心地よい弾力感やもちもち食感を実現した。

 「既存品のクレープ皮と比較するため、生地物性を測定した結果、既存品よりも『ファミマ・ザ・クレープ』のほうが応力(硬さ)が少なく、やわらかいという結果になった。生地の破れにくさがアップしていることも分かり、この“やわらかさ”と“やぶれにくさ”が絶妙なもちもち食感を実現させている」と説明する。

 2つめのこだわりは、クレープ生地のキリン柄の焼き色。「美しいキリン柄を追求し、水車式(ドラム式)鉄板の回転速度と温度を何度も調整した」という。

 3つめのこだわりは、食べやすいスティック形状。「前身商品は正方形の形状だったのに対し、『ファミマ・ザ・クレープ』は食べやすさを追求しスティック状にした。具を皮で包む工程を丁寧に手作業で行い、ふんわりとやさしい食感を実現している」。

 スティック状のクレープが入った容器についても折れ曲がる仕様となっており、食べやすさを追求。

 アイテム別では「生チョコ」は国内製造したチョコレートと北海道産生クリームをブレンドした生チョコ、北海道産生クリームをブレンドしたホイップクリームが特徴。

 「ティラミス」は北海道産生クリームと北海道産マルカルポーネを使用したクリームを包み、洋酒を配合しコクのある味わいに仕立てられ、コーヒーを使用したシロップがティラミスの風味を際立てる。

 クレープに着目した理由については「わかりやすく伝わりやすいメニューが最近のトレンド。お客様に認知いただいて手に取っていただけやすいような仕立てにしてコンビニスイーツの定番であるクレープを今回発売する」と説明する。

 ファミリーマートは「スフレプリンシリーズ」や「バタービスケットサンド」などスイーツに注力している。スイーツ商品は右肩上がりに伸長し、今回さらなる成長を目指し「ファミマ・ザ・シリーズ」から新たに「ファミマ・ザ・クレープ」を発売する。

 マーケティング本部メディア&プロモーション改革推進部プロモーショングループの大谷萌氏は「今後も『ファミマ・ザ・クレープシリーズ』として続々と新しいフレーバーを展開していく」と意欲をのぞかせる。

 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)