埼玉・入間で専用荒茶工場 伊藤園、今季一茶から稼働

伊藤園は22年度の一番茶シーズンから、埼玉県入間地区で「お~いお茶」の原料となる専用茶葉などを生産する荒茶工場を稼働させる。茶産地育成事業のうち、耕作放棄地などの茶園再生に取り組む「新産地事業」の一環。

新産地事業として建設する荒茶工場は全国7か所目で、同県では初めてとなる。安定的に高品質な緑茶原料を調達するとともに、耕作放棄地の未利用など国内農業の課題解決に寄与する。

入間地区は、日本三大銘茶として知られる狭山茶の産地。同社はこれまで、狭山茶の生産販売を手掛ける首都圏アグリファーム(埼玉県入間市)とともに農地約50 haの集約や遊休地の解消に取り組んできた。新たな荒茶工場の稼働を契機に、同地区で茶園を100ha規模まで拡大させる方針で、将来的な生葉の収量増加を見据えて、2か所目の荒茶工場建設も視野に入れて検討する。

荒茶工場では、燃料はすべて都市ガスを使用するほか、荒茶の生産ラインで発生する排熱を再利用できる設計にすることで「国内で最も二酸化炭素排出量が少ない」としている。

新産地育成事業の展開地区は埼玉県を加えて計7県で9地区になった。