コカ・コーラ国内最大級の自動物流センターが稼働 オーダー別にケース単位で仕分け 自販機改革にも貢献

コカ・コーラボトラーズジャパンは、埼玉工場敷地内でコカ・コーラシステム国内最大級の保管・出荷能力を持つ自動物流センター「埼玉メガDC」を2月から稼働している。

埼玉メガDCは6万パレットの製品保管容量と8千500万ケースの製品出荷能力を備えており、東京都および埼玉県の全エリアの物流を担う基幹拠点。物流体制の最適化を進める「新生プロジェクト」の一環として新設された。

2月12日、決算説明会に臨んだカリン・ドラガン社長は「21年は高度に自動化された新しい物流インフラが稼働し、物流業務を変革することに重点を置いている。20年に14か所の営業・物流拠点を閉鎖し、今年はハブの拡充やメガDCの運営を強化していく」と語った。

これまで各拠点で行ってきた仕分けやピッキングなどの物流業務や在庫を埼玉メガDCに集約し、製造から取引先や各自販機までタイムリーに製品を供給するネットワークを構築。これにより「最終的には20%のコスト削減に寄与できるようにしていきたい。物流・サプライチェーン全体で削減していきたいと考えている」(ブルース・ハーバート執行役員SCM本部長)。

埼玉メガDCでは、自動格納ラックや自動ピッキングシステムなど設備の自動化を推進することで、従来の約半分のスペースでの製品の保管や出庫にかかる時間や人員による作業工程を短縮することが可能となる。

通常は、セールスセンターなどの中間拠点で仕分けし、ルートカーと呼ばれるトラックに積み込み、取引先や自販機に配送する。埼玉DCではすべて荷造りを完了させることで、中間拠点での作業負担を削減する。

これを実現させる新技術がカスタマーオーダーピッキングシステムと自動ハンドリング制御システム。一般的には一つのパレットに1種類の商品がケース積みされるが、新技術によりカスタマーのオーダー別にケース単位で仕分けを行い、一つのパレットに複数種類のケースを積み重ねて出荷できるようになる。仕分けは21台のアームロボットが行うことで省人化が図られている。これにより、自販機オペレーションのさらなる効率化も見込む。

「自販機改革にも寄与する部分が多くある。スマートにルートを決定しオペレーションできる。ピッキング作業が早くなり、素早く安価なコストでサービスを提供することができるようになる。営業とサプライチェーンの点と点を結んで相乗効果を生み出す」(コスティン・マンドレア執行役員営業本部長)という。

同社は、引き続き新生プロジェクトを推進し、2022年末には明石工場の敷地内に「明石メガDC」の竣工を予定している。

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