一番茶生産量、茶処・静岡は16%減 コロナで茶価上がらず

農林水産省はこのほど、20年産一番茶の荒茶生産量、栽培面積などを発表した。荒茶生産量は全国で2万1千200t(前年比10%減)、2大産地の静岡は9千420t(15%減)、鹿児島は8千10t(4%減)、全国の栽培面積は2万6千ha(3%減)だった。

お茶は、同じ畑でも摘採時期により収量が違ってくる。ミル芽(新芽が出たすぐ後の柔らかい芽)で摘めば収量は減るが品質がいいため高く売れる。長く伸ばせば量は取れるが価格が抑えられる。その年の状況により、どの状態で摘むかは生産者の判断となる。

18年は、天候要因から各産地が大豊作となり、特に静岡は前年比で15%増という作況だった。このとき、大量に手当てした茶商が在庫を捌ききれず在庫過多の状態のまま今シーズンが始まったため、ミル芽で摘んだ生産者が多く16%減という大きな減産につながっている。ただ、根底には急須離れがあり、静岡の生産量は10年前の1万4千tと比べると6掛け近いマイナスとなった。(図表下記事続く)

静岡県の一番茶(荒茶)生産量の推移

一方、農水省統計では取り上げていないが、茶価の下落も続いている。特に今シーズンは、八十八夜の新茶セールが新型コロナの影響から盛り上がらなかった。4~5月は巣ごもり需要から、量販店ではお茶も久しぶりのプラス成長となったが、新茶セールの主なチャネルである専門店が厳しかった。このため、静岡の早場所では茶価が最大15%減となり、中山間地や遅場所は20%減、ブランド化に成功した掛川茶でも20%減となっている。