非常下で進む人心荒廃

知人が新型コロナから鬱状態に陥っている。東京在住だったが、早めのリタイアで伊豆高原にマンションを購入し、一応の終の棲家として暮らしている。ところが車のナンバープレートをそのままにしていたため、スーパーの駐車場でギギギギと長い傷をつけられた。

▼人間不信になったのか対人恐怖症かマンションから出られなくなり部屋に閉じこもったまま。スーパーは徒歩圏内にはなく車は必需品で、住人であることを証明するカードを発行しているかもしれないが、それすら確かめる気力がないという。

▼感染者数の少ない県の住人からすれば、東京都民はバイ菌が歩いているように見えるのだろう。一極集中で人口密度の高い東京は感染リスクも確かに他県より高い。コロナの巣窟と感じているかもしれない。

▼これまでは東京や大阪など大都市の住人が心配や忌避の対象になっていた。39県の緊急事態宣言解除が発表されたものの、他県からの移動自粛はそのままになっている。大都市だけだった対象が隣県にまで広がり、他県民間の疑心暗鬼が広がらなければいいのだが。