日清製粉グループの日清製粉(山田貴夫社長)は、米国子会社のMiller Milling Company,LLC(以下、ミラー・ミリング・カンパニーLLC)のサギノー工場(米国テキサス州)の新生産ラインが完成。3日に現地で竣工式を行った。
サギノー工場のあるテキサス州は人口成長率の高い成長市場であることから販売好調が続いており、今後の生産能力不足が見込まれていた。今回、サギノー工場の新ライン増設により、テキサス州における小麦粉供給体制を強化。さらなる事業拡大を目指すとともに、カナダの子会社であるロジャーズ・フーズLtdを含め、北米での事業基盤拡大に取り組む。
サギノー工場の生産能力は日産1千480t(小麦ベース)。新ライン増設により約70%増強した。小麦粉サイロ収容力は約2千400t。投資額は6千760万米ドル(約68億円、増設決定時のレート101.15円換算)。
なお、ミラー・ミリング・カンパニーLLCはサギノー工場のほか、ウィンスター工場(バージニア州、1千640t/日)、フレズノ工場(カリフォルニア州、600t/日)、ロサンゼルス工場(同、780t/日)、オークランド工場(同、880t/日)、ニュープラーグ工場(ミネソタ州、1千120t/日)の北米6工場を構え、生産能力は日産6千500t(原料小麦ベース)を誇る。
日清製粉グループは18年5月に策定した長期ビジョン「NNI“Compass for the Future”」において、未来に向かって「健康」を支え、「食のインフラ」を担うグローバル展開企業としてさらなる発展を目指し、海外製粉事業を成長ドライブ事業のひとつに位置づけている。
日清製粉はこれまで、12年に米国ミラー・ミリング・カンパニーLLCの買収、13年にニュージーランドのチャンピオン製粉Ltd.の設立、18年にタイの製粉工場買収、今年4月には豪州の製粉会社アライド・ピナクルPty Ltd.の買収と、海外事業の拡大を積極的に進めてきた。サギノー工場の新ライン本格拡大に際して、「今後も長期ビジョンの実現に向け、海外事業拡大の取り組みを一層推進する」とコメントした。