三陸沿岸に拠点を置く武蔵野フーズ(岩手県陸前高田市)。2024年4月にニッスイグループ入りした。生食用の水産加工品に強みを持ち、かねてより回転寿司チェーン店や食品スーパーに寿司ネタ・刺し身用などの冷凍スライス製品を出荷。直近は陸前高田の広田湾で水揚げされた「ニッスイサーモン」の加工も手がける。
武蔵野フーズは1989年創業、91年に法人化。2011年の東日本大震災で本社施設が壊滅した後、現在の陸前高田工場を13年に再建し、翌14年に操業開始した。16年に水産食品加工施設のHACCP認定を取得。
顧客の多様なニーズに応えるため、国産原料を中心にタコ、ニシン、マグロ、ブリ、サバ、ホタテ、エビ、ヒラメなど多魚種の製品を取り扱っていることが特長だ。
ニッスイグループに入って約2年経過したが、効果としてファミレス、居酒屋、ホテル等にも販路が広がったという。
工場は2階建て(延床面積2662㎡)。生産は主に1階部分を使用し、日産能力はスライス製品で約1t、フィーレ加工で約3.5tを有する。全従業員約60人のうち約45人が加工作業に従事。外国人技能実習生の比率が高く、ベトナム、カンボジア、インドネシア、ミャンマーから受け入れている。
ニッスイサーモンの加工では、自動三枚おろし機を通過した後、下処理室で従業員が1尾ずつていねいに骨とり作業を行う。さらに製品チェックとスライス加工を経て、約1時間かけて2台のトンネルフリーザーを通過。緩慢凍結を防ぎ、厚みのある魚種でも完全に凍結させることが目的。

今後に向け、成田聡社長は「(コスト競争力に優れる輸入品に対して)われわれが勝負していくには品質とスピードが重要だと考えている。例えば朝に注文を受けた商品を夕方には出荷できる。品質にも一段とこだわりたい」と展望する。
一方、「地域貢献活動にも注力していく」との考えを強調。昨年12月からふるさと納税への商品提供を始めた。現状はイカの刺し身、えびの剥き身、しめ鯖のフィーレなど数種類だが、「10品、20品と増やしていきたい」。福利厚生を充実させる一環では、従業員の誕生月に地元洋菓子店で購入したバースデーケーキをプレゼントしている。
