ヨーク・ホールディングスの業績が好調だ。26年2月期は営業利益が503億円、前期比3倍以上に拡大した。イトーヨーカ堂など主力のスーパー事業が牽引している。石橋誠一郎社長は「既存店の改装効果で食品を中心に売上が伸び、荒利益率が向上。今後も設備投資の大部分を店舗に振り向けて再成長を図る。注力する惣菜や低価格プライベートブランド(PB)『セブン・ザ・プライス』の品ぞろえを充実させ、若い世代など新たな客層も取り込む」と語った。
ヨークHDは、昨年9月に親会社がセブン&アイ・ホールディングスから米国投資ファンドのベインキャピタルに変わり、新経営体制による初年度の業績を公表したもの。
前期売上高は店舗閉鎖等が影響し1兆5671億円、前年比0・7%減にとどまったものの、利益が大幅に改善。なかでもイトーヨーカ堂は営業利益が9・4倍で22年ぶりの利益水準を達成し、EBITDAが1・9倍(450億円)と拡大。既存店売上高は3%増、荒利益率は0・6%向上した。
石橋社長は「比較対象の24年度は改革途中で業績が厳しかった」としながらも、「ヨーカ堂は3年前から抜本的な構造改革に取り組み、全社一丸でコスト削減(販管費率▲4%、22年度比)を推進。グループ内でもっとも稼ぐ会社に生まれ変わった」と手応えを話した。
ヨーカ堂の売場施策で成果が出ているのは鮮魚と精肉の“専門店化”だ。特に鮮魚は市場直送の圧倒的鮮度を強みに接客・店内加工を訴求し、実施店舗の売上は未実施店に比べて鮮魚コーナーで約5割増、店舗全体で約1割増となった。26年度は25店舗(前期末10店舗)に拡大する。

惣菜は自社工場「Peace Deli(ピースデリ)」を中心とした商品展開を強化。前期は売上が冷惣菜5%増、温惣菜7%増、弁当7%増と伸び、荒利益率も上がった。カテゴリーで販売構成比15%の達成を目指す。
物価高で節約志向が強まる環境下、低価格PB「セブン・ザ・プライス」への期待も大きい。現状、セブン&アイグループが展開する「セブンプレミアム」などPB売上に占める比率が2%と低く、伸びしろが見込めるためだ。食品スーパー事業(イトーヨーカ堂、ヨークベニマル)で28年度までに低価格PBの売上を25年比2・8倍に引き上げる。
7月1日、ヨークHDは組織変更を実施し、「CxO」体制を導入する。社長CEOに石橋誠一郎社長、CAO兼CCOに山本哲也執行役員副社長が就き、CIOにトリドールホールディングス出身の磯村康典氏、CFOにも外部人材を招へいする。
あわせて早期の新規株式公開を実現するためIPO準備室を設置。石橋社長は「可能な限り最速を目指す姿勢に変わりはない。26~27年度の業績や社会環境などを踏まえて適切なタイミングを見極めたい」と述べた。




