清涼飲料やビールなどの飲料業界6団体で構成する公益社団法人食品容器環境美化協会(略称・食環協、田中美代子会長)が、地域とともに環境美化活動を行う小・中学校等を支援しようと、2000年に開始した環境美化教育優良校等表彰事業。
26回を数える本年度は、全国の都道府県より推薦された小・中学校等33校の中から、最優秀校4校が決定した。児童生徒が主体的に取り組む優れた活動をシリーズで紹介する。初回は、文部科学大臣賞を受賞した宮城県南三陸町立名足(なたり)小学校だ。「第26回環境美化教育優良校等表彰式」は1月30日、浅草ビューホテル(東京都台東区)で開催される。
豊かな海の恵み 五感で体験

太平洋を一望する同校では長年にわたり、校区にある「長須賀海岸」の清掃活動に取り組んでいる。浜辺にはペットボトルや空き缶の他、漁具などのプラスチックごみの漂着が目立つ。児童は、県漁協や漁協婦人部などの団体や住民とともにごみを回収、地域一丸となって豊かな自然環境を維持。清掃後は、きれいになった海岸で地引網体験をする。網に入った魚は、住民が講師となり魚の種類や生態などをレクチャー。
漁業を生業とする家庭が多い地域柄、もともと海や自然への保護意識が高い一方、海岸清掃を機に住民の絆が年々強固になってきた。その効果は、学校の教育活動においても発揮される。地場産業をテーマにしたワカメの種挟みやホタテの養殖体験、さらに漁船に乗り養殖場を見学するなど、多様な海の環境を保護する大切さを五感を使って学ぶ。
南三陸町では現在、震災の教訓を生かした新たな自然との共生に向けたエコタウンを目指している。それに沿う形で、地域の宝である海と森と川のつながりを知るための活動も活発化。ラムサール条約に登録された志津川湾の干潟調査を専門家の協力で実施している。阿部莉乃(りの)さん(小6)は、「干潟は、カニやゴカイの仲間など小さな生き物が棲むゆりかごだということ、海の水をきれいにしてくれることが分かりました」と期待を込める。
東日本大震災では、2階まで津波が到達し被災した同校。しかし、住民などから要望が寄せられ、県で最も早く現地復旧を果たした。町で民宿を営む高橋才二郎さんは、「名足に住む人たちは、学校への協力を惜しまない。津波で自分の家が流されて被災した人も、子どもたちのためならばと手伝いに来る」と尊い絆を語る。そんな学校を見守る住民の熱い思いは揺らぐことなく児童に伝わり、ふるさとへの愛着や誇りが着々と育まれている。(つづく)
