一般社団法人日本アイスクリーム協会は、このほど第51回アイスクリームセミナーを開催。協会会員や賛助会員など約130人が受講した。
講演に先立ち小栗英揮専務理事は、昨年度の業界の動向について、「市場規模は売上高6451億円と過去最高に販売金額、物量も3・1%増(93万5916㎘)と史上2番目を記録。今年度も価格改定の影響を懸念したが、上半期103%程度の伸長率とみられる。今後もキングオブデザートとして、お客様に愛される日々が続くよう品質向上と消費拡大に努める」など挨拶した。
特別講演では伊藤園のマーケティング本部の安田哲也副本部長が壇上にあがり、「お~いお茶の変遷とおいしさへの追求」をテーマに講演。「お~いお茶」はおいしさのために、茶葉から火入れ、保管、抽出、充填の各工程で鮮度アクションを推進。持続可能な農業モデルとしての「茶産地育成事業」も紹介し、その成果として耕作放棄地等の茶園への造成を進めている実態を具体的な数字で示した。
「おいしさ」と「環境負荷低減」の取り組みでは、茶産地育成事業により年間CO2の吸収量は約16万トンに達し、PETボトルのキャップも従来に比べて約13%軽量化。ラベルも40~50%薄膜化し、使用済の茶殻は100%リサイクルしている状況を紹介した。
環境キャンペーンとして、「お~いお茶」全飲料商品の売上の一部を各地の環境保全活動に寄付する「お茶で日本を美しく。」の取り組みや、「お~いお茶 桜パッケージ」の売上から、47都道府県に桜の木を植樹・寄贈する「わたしの街の未来の桜」プロジェクトも紹介。世界に向けた環境キャンペーンとして、2010年から「お茶で、世界を美しく」をテーマに森林・水・生物多様性保全の活動を継続してきた同社は、昨年よりこの取組を世界に向けて発信。この取組のグローバルアンバサダーに世界で活躍する大谷翔平選手が就任していることを紹介した。