トップニュース中部の醸造メーカー 全国区の商品育成推進 地域食文化の維持・発展も

中部の醸造メーカー 全国区の商品育成推進 地域食文化の維持・発展も

中部の有力醸造メーカーが全国区の商品育成を進めている。

イチビキ(愛知県)では「無添加国産しょうゆ」(500㎖)と「厳選国産生赤だし」(400g)、サンジルシ醸造(三重県)は「老舗の赤だし本場仕込み」(500g)について、関東や関西での採用拡大に向け営業活動を強化している。中部エリアは豆みそ、たまりしょうゆ、白醤油など独特の調味料文化を持つが、いずれも生産量としては全体の数%にとどまる。地域食文化の維持・発展と自社の業容拡大を狙いに、地元以外のエリアで存在感アップを目指す。

イチビキではここ数年、「無添加国産しょうゆ」と「厳選国産生赤だし」を最重点拡販アイテムに指定。「まずはこの2品が、全国どこの地域に行っても置いてあるようにしていきたい」(中村拓也社長)と、中部以外の地区での販売を強化してきた。結果、この5年間で「無添加国産しょうゆ」は164%、「厳選国産生赤だし」は172%の伸長を見せている。

「無添加国産しょうゆ」は、地元中部エリアは750㎖、関東・関西は500㎖を軸に展開。今期もそれぞれ二ケタ増で推移。毎年開催される「全国醤油品評会」では、昨年の「農林水産大臣賞」に続き、今年は「優秀賞」を獲得した。

「厳選国産生赤だし」は、国産の大豆を100%使用。豆みそ本来の味を生かした生みそ商品。全国的に販売強化を進め、今期も昨対150%近い売上を記録している。

サンジルシ「老舗の赤だし本場仕込み」
サンジルシ「老舗の赤だし本場仕込み」

一方、サンジルシ醸造の「老舗の赤だし本場仕込み」は、全国展開に向けて、豆みそを食べやすくしたもの。同社のみそ商品では「料亭赤だし」ブランドが主軸となるが、中部エリア以外での販売を念頭に開発した。

サンジルシ醸造は、22年4月1日付でヤマサ醤油と営業機能を統合し、連携・協業体制を敷いてきた。両社商品の相互販売では、サンジルシ醸造の地盤である中部エリアでヤマサ商品のシェア拡大を図るとともに、関東以東などではヤマサ醤油の販売網を生かしてサンジルシ商品の拡販や豆みそ・たまりの業務用提案などを推進。今回の「老舗の赤だし本場仕込み」も、そうした取り組みを土台に全国商品として打ち出している。

中部エリアでは、地元の同業大手マルサンアイ(愛知県)が主力事業見直しで、みその製造を大幅縮小。ただでさえ少ない豆みその担い手が減っており、そうした点からも全国に中部の調味料文化・食文化を伝える上で戦略的な商品が必要と、イチビキ、サンジルシの考えは一致する。他の中部醸造メーカーでも、こうした全国向け商品の開発・投入を検討しているとのことだ。

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