「夏になると、日照時間が長いことで体内のリズムが崩れ、睡眠不足になりやすい。紫外線や屋内外の寒暖差も影響し、体の不調を感じやすい」と指摘するのは、慶應義塾大学医学部化学教室の井上浩義教授。7月31日、江崎グリコが主催したセミナーに登壇した。
体調不良の原因のひとつとして考えられるのが、酸化ストレスだ。
紫外線や乱れた生活習慣などで体内の酸素が変化し、活性酸素として体内に蓄積すると、やがて細胞にダメージを与え、動脈硬化や免疫機能の低下、集中力の低下といった心身の不調につながる。
「活性酸素の発生を抑制したり、活性酸素によって生じたダメージを修復・再生したりする抗酸化作用が重要。しかし40歳を過ぎると、余分な活性酸素を除去する働きを持つ酵素が急激に減少し、抗酸化の能力が下がってしまう」と指摘する。
抗酸化作用を期待できる成分として井上教授はビタミンEを挙げる。
「ビタミンは水溶性と脂溶性があり、例えばビタミンCなど水溶性のビタミンは細胞膜に届かない。一方、脂溶性のビタミンEは細胞膜に届き、酸化を防いでくれる」と説明する。
ビタミンEのサプリメントも市場には存在するものの、「過剰摂取してしまう危険性があるため、食品から摂ることが一番だと言われている」と述べる。
ビタミンEは、アーモンドや落花生などに含まれている点にも触れる。
中でもアーモンドは100gあたり30mgのビタミンEが含まれており、この量は落花生の約3倍、アボカドの約10倍に相当する。
「アーモンドはたんぱく質や食物繊維も多く含まれている。硬くて食べにくいという方や、水分の摂取量が少ない高齢者にはアーモンドミルクが手軽で良い」と推奨する。

セミナーではパネルディスカッションも実施。井上教授、タレント・気象予報士の山田玲奈さん、食物栄養学博士・名誉フードスペシャリスト・栄養士の青木敦子さんが、アーモンドミルクに関するトークやおすすめのレシピ紹介を行った。
江崎グリコは情報発信を強化して、ビタミンEの日常的な摂取を促していく。
同社が6月27日から7月3日に20-50代の男女1050人を対象に行った調査では、ビタミンEを「詳しく知っている」と回答した人は全体の26.3%と3割未満にとどまった。「詳しくは知らないが聞いたことはある」と回答した人は65.1%だった。
同社の健康事業マーケティング部の川上雄太郎氏は「ビタミンE自体を知っている人は90%を超えていたが、ビタミンEがどう良いのかは知らないという人が多かった。ただ、ビタミンEを詳しく知っている人の8割は、意識してビタミンEを摂取していた。より多くの人にビタミンEについての理解を深めていただき、生活に取り入れていただきたい」と語る。
同社は今夏、ビタミンEの魅力を発信する取り組み「実はすごいぞビタミンE」を開始。
その第一弾として、コラボレーションイベント「丸の内アーモンドミルクテラス」を8月1日から24日まで飲食施設「丸の内ハウス」(東京都千代田区)で開催する。
イベントでは、「丸の内ハウス」内の全12店舗でアーモンドミルクを使用した期間限定メニューを提供する。
取り組みの第二弾では、ラジオJ-WAVE「STEP ONE」内でコーナー番組「Glico VITAMIN E – TERRACE」を放送。8月4日から28日まで全15回を予定し、Podcastでも公開される。
第三弾では、8月上旬に「実はすごいぞビタミンE」の特設サイトを開く。ビタミンEの健康価値を啓発する漫画を制作し、SNSや特設サイトで順次公開する。