業務用冷凍食品が主力のヤヨイサンフーズは、2025年秋に向け①水産資源の有効的な活用②施設・病院給食市場への注力③基幹カテゴリーの強化――を主要テーマに新商品・リニューアル品を投入していく。新製法で中骨まで軟らかく仕上げた「骨までやわらか 国産さば味噌煮」や、高齢者が手軽においしくたんぱく質を摂取できる「プロケア」シリーズを立ち上げ「ハンバーグ」などを発売した。
7月10日に発表会を開催した。冒頭、溝口真人社長は「前期は減収減益だったが、2年連続で売上高400億円超、営業利益10億円超を確保した。社内で利益に対する考え方が変わってきたとの手応えを感じる。今期は売上高415億円、営業利益11億円を計画。利益創出をベースに、次のステップとして市場シェア拡大に挑みたい」などと語った。
次いで池田竜司執行役員マーケティング・開発本部長が登壇。「秋季商品の開発コンセプトは従来通り『価値の創造』と『感動と信頼の創出』。外部環境の変化やニーズの多様化に応えながら、お客様に信頼していただける安全・安心でおいしい商品をお届けする」と述べた。
秋の新商品は7月1日から順次発売。主要テーマのうち、①は水産資源の枯渇を念頭に置いたもの。さば類の漁獲量も最近5年間で5割近く減っていることから、「骨までやわらか」シリーズと銘打ち、従来品の三枚おろしでは廃棄していた中骨周辺も利用する製法に一新、「国産さば味噌煮」「国産さばみぞれ煮」などを商品化した。
気仙沼工場にセンターカットの設備を新規導入するとともに、骨まで軟らかくなる加圧加熱処理を行っている。中骨まで含むためカルシウムの摂取量は2.8倍に増えた。
学校給食での提供を想定し、新「さば味噌煮」で行った試食アンケートでは児童、栄養士とも食べやすさやおいしさの点で高評価だった。
②では、高齢者が施設・病院等の食事で「おいしくたんぱく質を摂ってもらいたい」との想いを込め、「プロケア」シリーズを立ち上げた。第1弾として、たんぱく質が主菜で10g摂れる「ハンバーグ60(鉄・Ca)」、副菜で5g摂れる「ミートボール15(同)」を発売。UDF区分で容易にかめる軟らかさとした。

③の基幹カテゴリー強化では総菜売場向けに「DeliGrande」の新商品「ミラノ風ドリア(押麦入り)」を発売。押麦の比率をコメと1:1まで高め、プチプチした食感と健康感の両方を訴求できるようにした。
同社は「押麦を増量した背景にはコメの調達コスト上昇があるが、健康意識の高いユーザーにも手に取っていただける様になれば」と期待する。