アジア最大規模の食品展示会「FOOD TAIPEI 台北食品展」が6月25日から28日の4日間、台湾・台北市南港区の台北世界貿易センター・南港展覧館で開かれた。
台北国際食品展をはじめ台北国際食品加工機械展、台湾国際生技製薬設備展、台北国際包装工業展、台湾国際飯店曁餐飲設備展の5つの展示会を同時に開催した。
今年は4500のブースに、世界33か国から1700社が出展。日本、米国、インドネシア、韓国、マレーシア、オランダなど15か国がパビリオンを用意した。
メーンの国際食品展は生鮮野菜から水産品、冷凍調理品、有機食品、飲料、酒類、菓子など国内外のあらゆる企業が参加。特に海外の出展社は前年に比べ6割増えた。

初日に開かれたセレモニーでは、主催者を代表しTAITRA(台湾貿易センター)の黄志芳董事長があいさつに立ち「食品はわれわれのアイデンティティであり、毎日の生活につながっている。人と人とをつなげる力もある。それがアジアの中でも非常に重要な展示会へと成長した『フード台北』を開催する最大の目的だ。最新の技術を通し、この文化資産を広げたい」と力を込めた。
また、台湾食品暨製薬機械工業同業公會の宋奇沛理事長は「台湾はユニークな食文化とサプライチェーンを持っている。製造業の力を生かし、グローバルにサポートしたい」と強調。
台湾包装協会の郭豊標理事長が「台湾は中小企業が多く、労働人口の8割が働いている。中小のパフォーマンスは非常に高く多くはOEMだが、自社ブランドも増えている。国は中小にもっと力を入れ、高い舞台に立たせる努力をしてもらいたい。国際的な提携が必要だ」と述べた。
食品展には台湾全国から多くの企業が参加し、各社の特徴ある商品を売り込んだ。
卓武山珈琲農場は、お茶で有名な阿里山でコーヒー豆を栽培。100%台湾産のコーヒーを販売する。もともとは茶栽培を行っていたが、市場が飽和状態になったため2001年からコーヒー豆の研究を始めた。12年には、台湾珈琲コンテストでグランプリを獲得。現在は東京や沖縄のカフェにも豆を卸す。コーヒー豆の果皮や葉を使ったお茶も商品化。「お茶を作ってきた技術を生かしている」という。

黄色いスイカの産地として知られる台中の龍井。龍井區農会は、そのスイカを使った缶チューハイを商品化した。果汁は30%と豊富で添加物は不使用。「スイカの生産時期は短く、加工品を増やしたい。現地で加工するので物流の過程で起こる破損を減らすこともできる」とアピールする。
台湾全国の漁協から原料となる魚を集め燻製にし、粉末のだしを製造する新合發。「黄金高湯」はサバとカツオの2種類があり、いずれも余計な調味料は使っていない。「刺身で食する場合と違い、だしとして使う時は脂身の少なさが強みになる」という。SNSを活用し、調理法の訴求にも力を入れる。