「アサヒ ザ・ビタリスト」(アサヒビール)の初動をビッグデータで分析 コンビニでの購入が顕著 「ジャケ買い」の口コミも

 リサーチ・アンド・イノベーションの井口(いのくち)颯一朗さんが、「CODE(コード)」と称するスマートフォンアプリから収集される毎日約30万人の購買データを読み解き、話題の商品について発売後1週間の初動をリポート。今回、取り上げるのはアサヒビールの「アサヒ ザ・ビタリスト」(ザ・ビタリスト)。以下、井口さんが語る。

 はじめに市場での立ち上がり状況に注目したい。

 ビールカテゴリにおける「ザ・ビタリスト」の4月15日発売開始以降の初週シェア(レシート枚数3万5720枚)見ると、競合が多い同カテゴリの中で一定のポジションを築いており、出足としては好調といえそうだ。

 なお「キリン一番搾り」のシェア大幅増は、同時期に発売された「キリン一番搾り ホワイトビール」効果によるもの。

発売前一週間と発売後一週間のシェア*商品名は略称
発売前一週間と発売後一週間のシェア*商品名は略称

 では、どの業態で多く購入されているのだろうか。業態別に購買状況を確認すると、コンビニでの購入が目立つ。
 新商品ということもあり、試しに1本購入する動きが多かったと考えられる。大手コンビニ3社での購入が多数確認できたので、実際に購入を検討するなら、まず最寄りのコンビニを訪れてみるのが良さそうだ。

 次に、購入者層を確認した。

 性年代に分けて購買者を分析したところ、特に男性40代から50代での購入が目立った。
この傾向からは、ビールを普段からよく喫飲し、ビールへのこだわりもある中年層と、商品の特性がマッチした結果と考えられる。

業態別購買状況
業態別購買状況

 さらに、購入者がどのように評価したか口コミを見てみよう。「苦味」「柑橘系」「フルーティ」という声が多く見られ、「ザ・ビタリスト」の魅力でもある苦味と香りがしっかりと伝わっていると分かる。

 また、「デザインがかっこいい」「ジャケ買い」などの口コミも一部見られ、高級感のある黒と金色のパッケージは初期のブランドイメージ形成にも良い影響を与えていそうだ。