「食創会 ~新しい食品の創造・開発を奨める会~」(会長=小泉純一郞元内閣総理大臣)は、このほど「第29回安藤百福賞」の「大賞」(副賞:賞金1000万円)に大阪大学産業科学研究所の関谷毅教授を決定した。
受賞テーマは「『フレキシブルデバイスを用いた生体計測センサの開発』~食品と生体計測の融合で実現するウェルネス~」。
関谷氏は、有機材料の柔らかさを生かしたフレキシブル・ストレッチャブルエレクトロニクスの作製プロセスを開発し、シート型ワイヤレス脳波センサを具現化。小型で軽量・薄型、ワイヤレス、かつ低コストな計測装置により、自然な状態で脳活動などの生体情報を高精度に測定できるようになった。
この技術は食科学にも応用されており、味覚やおいしさの研究、さらには心身の健康を支える食品の研究に新たな可能性をもたらすことも期待されている。
「優秀賞」(同200万円)には国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所医薬基盤研究所の國澤純副所長による「腸内細菌叢統合データベースの構築と精密栄養学の基盤研究」、九州大学大学院農学研究院の宮本敬久特任教授による「食品の腐敗防止および安全性の確保に関する研究」の2人、「発明発見奨励賞」(同100万円)には世界で初めてレモンスライス入りチューハイの量産販売を行ったアサヒビールの豊嶋麻里氏ら3人を選出した。また、表彰式は3月11日に都内のホテルで開催される。
食創会は安藤スポーツ・食文化振興財団(理事長:安藤宏基日清食品ホールディングス社長・CEO)が主宰。「安藤百福賞」表彰事業(後援:文部科学省、農林水産省)は1996年から実施している。