地域ジェラートを文化に 改めて衛生管理徹底求める 日本ジェラート協会通常総会

日本ジェラート協会は、11月21日に都内で通常総会を開催。25年度も引き続き安全安心を最重点課題にアイスクリームHACCPによる衛生管理体制と正しい表示の徹底を図る。役員改選では新会長に柴野大造氏(マルガージェラート、本店・石川県鳳珠郡能登町)が就任した。

鈴木俊之会長(秋葉牧場)は「本年は2年続きの猛暑が到来し、過去最高気温となったことでジェラート協会も大きな恩恵にあずかった。一方で資材・原材料の高止まりや光熱費、人件費、物流費の高騰は依然継続し円安傾向にあり、国内外の動きを注視していく」と述べた。

柴野新会長は「今後、最も重視していくことは衛生管理だ。ジェラートの製造は牛乳や生フルーツを多く使用しているため、製造環境、殺菌工程、保管方法、出荷体制など定期的な自主検査で製造者と消費者の安心・安全が常に担保されていなくてはいけない」とした。

柴野大造新会長 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
柴野大造新会長

近年は食品以外の企業が地域貢献の一環としてジェラート事業を取り入れる事例が増えていることから、今後もジェラートが文化として長く根付くよう、各地域の模範となる管理体制の徹底を求めた。

24年1月に発生した能登半島震災では、計93万円の協会義援金を被害が大きかった地域の会員に届けた。避難所にジェラートを届ける事業では、約20社の会員がおよそ100個のジェラートを寄付し3月以降順次各避難所へ届けた。

柴野新会長は「何度か現地の避難所や小中学校でジェラートを無料配布する活動を行った。こんな時期に喜んでもらえるか不安があったが、皆さん喜んでくださった。特に高齢者が多い地域では、集会所で月1度開催される寄り合いが唯一の交流の場になっており、そのなかで地域素材を使ったジェラートは心のよりどころになっていた」とし、改めて会員らの協力に感謝の意を示した。

役員改選に伴い副会長3人、新理事4人、新監事2人、相談役・代表として鈴木前会長が選任された。