3 C
Tokyo
8.7 C
Osaka
2025 / 12 / 14 日曜日
ログイン
English
トップニュース加藤産業 「過去にない厳しい予想」加藤社長 節約志向が背景に

加藤産業 「過去にない厳しい予想」加藤社長 節約志向が背景に

加藤産業は今期、増収減益を予想する。新工場設立による償却負担や情報システム投資の継続に加え、消費者の生活防衛意識がより強まっていることなどから「過去にない厳しい予想」(加藤和弥社長)を示した。

前期(24年9月期)の営業収益は予想を上回り6.4%増加したが、販管費率は5.7%で前年より0.1ポイント上がり、営業利益率は1.4%で0.1ポイント下がった。加藤社長は「卸売事業は比較的堅調だった一方、新工場の償却負担と海外事業が想定より厳しく、増収微増益という結果になった」と振り返る。

卸売事業について「第4四半期は少し持ち直したものの、それまでは四半期ごとに厳しさが増していた。価格改定で売上と粗利が伸び、物量が落ちていく中で経費を抑制できていたが、2024年問題を含め上昇圧力が効いて経費も伸びる状況になった」と指摘。

今後については、「商売そのものが一筋縄ではいかなくなっている」とした上で、次の通り述べた。

【消費動向】値下げという動きが出ているが、一方でコストが上がり続けるのは間違いないので、継続して価格を下げることは難しい。ヒアリングすると、安く売るというより、そもそも低価格な商品のウエートが少しずつ増えているという感覚だ。特にコメが上がってから節約志向が顕著になった。低価格品が増えると、結果として物流が収益的に厳しくなる。

【投資見込み】前期の投資額は93億8000万円、今年度は100億円はゆうに超えるレベルになる。長期計画の中、全国で新しいセンターを進めており、26年度ごろから順次稼働する予定。この3~5年は投資がかさむ時期になると考えている。

【海外事業】国内市場がシュリンクするのは以前から分かっていたので、それを踏まえ海外進出しそれなりの規模になった。ビジネスモデルは若干違うが、一定レベルの存在感がある卸売業に売上がつく傾向がある。進出した国において、信頼されるディストリビューターという位置付けをしっかり作り上げることが収益基盤となり、次の成長にもつながる。

特にベトナム、マレーシアは平均年齢が若く、国としての成長が見込めるので、しっかり取り込むことが大事だ。

関連記事

インタビュー特集

日本酒「獺祭」輸出4割増 「海外トップブランドが強み」桜井社長

清酒「獺祭」の輸出が世界各国で伸びている。前9月期は総売上高213億円(前年比9%増)のうち、輸出実績(未納税含まず)は79億円、実に4割増だった。

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。

J-オイルミルズ春山社長 次元の異なるコスト環境 油脂、価格引き上げ急ぐ

J-オイルミルズの春山裕一郎社長執行役員CEOは、油脂のコスト環境が悪化する中で、「価格改定の浸透を急ぐ」方針をあらためて強調した。

新潟・葵酒造、2年目は自社栽培米で仕込む 「Domaine Aoi」始動 「日本酒になじみがない方にも」青木代表

「飲むことで幸せを感じられるような日本酒を提供していきたい」と話すのは葵酒造(新潟県長岡市)の青木里沙代表取締役。昨年冬、JR長岡駅からほど近い場所に位置する創業160年超の旧高橋酒造から事業を引き継ぎいだ。

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。