荷待ち時間を大幅短縮 スーパー16社でノウハウ共有 SM物流研究会

スーパー16社が参加するSM物流研究会では、ドライDCセンターにおける荷待ち1時間超過のトラック台数の割合が7月に3%まで減少した。8月は4.1%に上昇したものの、昨年12月の17.4%から大幅な改善がみられる。バース予約システムの導入・活用を促進し、ノウハウの共有で予約率を高め、待機時間を減らしているという。約96~97%のトラックが荷待ち1時間以内を実現したことになり、引き続き100%の達成を目指す。

この数値は昨年10月から当時の参加10社で計測を始めたもの。このほど発足メンバーのライフコーポレーション、今年に入って新規参加した平和堂、エコスグループ、イトーヨーカ堂の物流担当者が都内の日本スーパーマーケット協会で記者会見し明らかにした。

荷待ち・荷役作業等時間が2時間超過のトラック台数の割合は、昨年12月の13.8%をピークに減少し直近の24年7月は2.8%、8月は3.8%となった。バース予約率の向上、バラ積みからパレット納品への移行を促進した効果が大きい。

今後はドライDCセンターに加え、ドライTCセンターでも計測を予定。最終的にはチルドセンター、生鮮センターでも実施できるように準備する。

また今年度は分科会を設けて4つのテーマを検討。「パレット納品の拡大」(担当企業=マルエツ、ライフ、原信、ナルス)はバラ積みの多いメーカーの可視化、即席麺および菓子メーカー・卸との意見交換、「共同配送、空きトラックの有効活用」(カスミ、西友、平和堂)は参加企業の空車状況を可視化、メーカーの帰り便を活用した共同配送の検討、「生産物流における物流課題の解決」(サミット、東急ストア、イトーヨーカ堂)は参加企業の物流施設やリードタイムの情報などを共有、青果卸・仲卸との意見交換、「チルド物流における物流課題の解決」(ヤオコー、いなげや、エコスグループ)は参加企業のチルド物流を把握、加工肉メーカー・市乳メーカーと意見交換――などを行っている。

当面の方針は「課題を可視化して物流研究会のメンバーで共有するとともに、メーカーや卸とも意見交換し、物流の全体最適を目指す」。

参加各社の取り組み目標には「加工食品定番商品の発注時間見直し」「特売品・新商品の発注・納品リードタイム確保」「納品期限1/2ルールの採用」「流通BMSによる業務効率化」「予約受付システムの導入と活用」「バラ積み納品の削減に向けた取り組み」「トップの合意(トップコミットメント)」の7項目を掲げ、直近までに全16社がクリアできているとした。