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小売CVSローソン「未来のコンビニ」の具体像を発表 「様々なテクノロジーを組み合わせて顧客体験を変えていく」 竹増貞信社長が意欲
2025台湾食品調達商談会 in Osaka by 台湾貿易センター

ローソン「未来のコンビニ」の具体像を発表 「様々なテクノロジーを組み合わせて顧客体験を変えていく」 竹増貞信社長が意欲

 ローソンは9月18日、同社の株式を50%ずつ保有する三菱商事、KDDIとともに合同記者会見を開き、3社が思い描く「未来のコンビニ」の具体像を明らかにした。

 ローソンの竹増貞信社長は「リアル店舗に様々なテクノロジーを組み合わせて店舗を通じた顧客体験を変えていく」と意欲をのぞかせる。

 会場ではKDDIの技術などを活用した「未来のコンビニ」を構成するテクノロジーの一部が公開された。来年4月に実験店舗「Real×Tech LAWSON」を東京都港区高輪にオープンすることも明らかにした。

 竹増社長は「未来のコンビニ像」について「ロボティクスやテクノロジーを搭載した店舗を、まずはKDDIの新社屋が入る高輪ゲートウェイシティにオープンする。目指すのはアバター接客やよろず相談窓口など、リアルな人の温かみをテクノロジーが支える店舗」と説明する。

 このリアルテックローソンを核に参画企業や行政などのパートナーとともに、ローソンタウンづくりにチャレンジする考えも明らかにする。

次世代リモート接客
次世代リモート接客

 取り組みの背景には、深刻化する人手不足解消や災害時のインフラ機能強化がある。

 「色々なものをロボティクス化、デジタル化しお客様に最適な商品を提供するなかで、オペレーション負担を3割削減する。新たな付加価値をのせた人にしかできないサービスを現場レベルで考え、実証実験を行い、全店で展開していく」と語る。

 コンビニが果たすインフラとしての役割も意識する。

 「新たな経営体制のもと、食料やエネルギーなど安全保障に貢献している三菱商事、情報通信インフラでデジタルテックカンパニーのKDDIのサポートうけ、微力ながらも暮らしの安心安全保障の一端を担う大きな責任を感じる」と気を引き締める。

 三菱商事の中西勝也社長は「ローソンの価値は1万4000店以上の店舗網と、1日1000万人の顧客、それを支えるサプライチェーン含めたリアルの価値にある」と述べる。

 「そこにテクノロジー掛け合わせて新たな価値を生み出し、リアルテックコンビニに進化させる」とし、引き続き原料調達や製造、物流、エネルギーなどサプライチェーンの面でサポートしていく姿勢を示す。

 KDDIの髙橋誠社長は「1万4000店以上のリアル店舗は、顧客接点としてもリアルなロケーションとしても価値がある。少子高齢化や地域課題についてもコンビニの役割は重要。三菱商事は海外展開も強く、コンビニという日本の大きな宝に新たなエクスペリエンスをのせて海外にも通用するものにしていきたい」と展望する。

左から中西社長、竹増社長、髙橋社長
左から中西社長、竹増社長、髙橋社長

 同日公開されたテクノロジー(一部抜粋)は次の通り、いずれも高輪店で導入予定。

 ① スマホレジ―店舗内でのフリクションレス決済、顧客の行動パターンや購入履歴をもとに商品を提案。

 ② AIサイネージ―入店時にかざしたアプリ上の購買履歴や店頭に設置したAIカメラで来店客の属性や嗜好を解析し、商品棚のサイネージにおすすめ商品やキャンペーンを表示。

 ③ ウォークイン飲料補充ロボット―AIロボによる飲料品出し作業及び在庫管理で最適な品出しと発注業務をサポート。1日約2000本の補充が可能。

 ④ 次世代リモート接客―KDDI提供。リモート上で専門スタッフがヘルスケア、金融、生活インフラなどの相談にのるブースを設置。

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