「コメ不足」って本当?

「令和の米騒動」などと喧伝された今回の事態には、ナゾが多い。それだけに「〇〇が裏で操っている」「××が買い占めたせいだ」など、根拠不明の“うがった見方”も百出。コメの消費量はこの10年だけでも1割以上減ったとはいえ、日本人の主食としての存在感はまだまだ大きいようだ。

▼23年産米の作況指数は101と平年並みだが、作付面積の微減もあり生産量はやや減少。猛暑で等級が落ちたことによる、精米時の歩留まり低下や店頭販売に回せる分の減少、インバウンド消費の増加など要因は複合的とみられ、単純な説明は難しい。冷夏により作況指数74の大凶作となった、平成の米騒動(1993年)とは様相が異なる。

▼ところで、そもそも「コメ不足」は本当に起こっているのか。7月1日から8週分のPOSデータをみると、コメの販売数量は前年同期比135.1%とむしろ大幅に増加(㈱マーチャンダイジング・オン RDS市場データ スーパー全国)。全体量だけみれば、昨年よりも「買えている」のである。

▼入荷しても、コメを血眼になって探す消費者が必要量以上に買いあさり、あっという間に品切れに。店頭の品薄は、それが真相ではないか。「冷静になる」というつまらない対応こそ、こんなときの最善策に思える。

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