吉野家ホールディングスは、8月28日からオーストリッチ(ダチョウ)に関連した新規事業を開始する。子会社のSPEEDIA(スピーディア)を通して、オーストリッチオイルを配合したスキンケア商品を販売するほか、吉野家の一部店舗ではオーストリッチミートを使った新商品を販売。優れた機能性が期待されるオーストリッチ素材の本格展開により、「食・健康・美容の面で生活に寄り添う存在」を目指す考えだ。
同日、都内で開催した新規事業発表会で明らかにした。
SPEEDIA社は、茨城県石岡市の自社牧場で約500羽のダチョウを飼育。新規事業の活動基盤として、オーストリッチ素材の機能研究や商品開発、販売を一気通貫で手掛ける。
同社の研究により、オーストリッチオイルは肌の水分量を増加させ、美容成分を肌に浸透させる効果を促進することがわかった。特に、美白・シミ予防といった効果が期待できるナイアシンアミドに関しては、オイルを塗布する前後で23倍もの浸透効果が見られた。
また、オーストリッチミートは牛、豚、鶏の肉と同様に高たんぱくでありながら、低脂肪・低カロリーで鉄分も多く含まれる。オーストリッチミートのモモ肉には、イミダゾールジペプチドやコエンザイムQ10が含まれ、疲労回復や血管老化防止の効果が期待できるという。
こうした研究成果を活かした商品は8月28日から販売を開始する。
SPEEDIA社は「グラマラスブースターオイル」「グラマラスエイジングクリーム」「モイスチャーマスク」などスキンケア商品をオンラインストアなどで販売。また、吉野家の一部店舗(約400店)では、「オーストリッチ丼~スープ添え~」を合計約6万食の数量限定で販売する。吉野家が牛、豚、肉以外の肉を使用するのは初めてのこと。
新規事業の背景について河村泰貴社長は「食糧問題など様々な社会課題がある中で、食糧の種類の集中化を防ぎながら多様な食糧によって健康を維持する必要がある。持続可能な豊かな暮らしの実現のため、多様な選択肢の一つとしてオーストリッチを提案したい」と強調した。