日本介護食品協議会(加盟96社、森佳光会長)がまとめた令和5年(2023年暦年)のUDF(ユニバーサルデザインフード)生産量は6万8千496t(前年比7.4%減)、生産金額512億1千600万円(同1%増)となった。
会員企業を対象とした生産量は3年連続の減少となったが、「コロナ禍の特需は落ち着いたものの、UDF製品の周知により需要のすそ野が広がっている」(事務局)とポジティブな見方を示す。
近年、原料・資材の高騰で最終製品の値上げを余儀なくされた中でも、「他分野の製品に比較して、UDF製品はその特性から一部を除き、需要への影響は見られず、(介護現場において)必需品となりつつある。特に給食現場など業務筋では、人手不足もあいまってUDFのような介護用加工食品は追い風となっている」という。素材型と比較して、調理を必要としない完調品に対する需要が堅調で、生産金額のアップにもつながっている模様だ。
区分別の実績は別表の通り。「容易にかめる(区分1)」および「歯ぐきでつぶせる(区分2)」が前年を下回った一方で、「舌でつぶせる(区分3)」「かまなくてよい(区分4)」は生産量、金額とも増加。
「舌でつぶせる(区分3)」は市販用レトルトタイプが若干減少したが、業務用の冷凍タイプが好調。「かまなくてよい(区分4)」は、市販用レトルトおよび常温タイプを中心に増加。業務用では、ムースやゼリーが含まれる常温タイプが減少した一方で、数量はまだ少ないものの冷凍タイプは引き続き増加し、「在宅でのミキサーやペースト食の調理負担軽減の観点から積極的に取り入れられている」と推察した。
詳細は同協議会のホームページに掲載。なお、24年5月現在のUDF製品登録数は2千167品。