16 C
Tokyo
14.4 C
Osaka
2025 / 11 / 03 月曜日
English
その他SDGsキユーピーと味の素 使用済みマヨネーズボトル回収 競合の垣根を越え資源循環で協働
〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点

キユーピーと味の素 使用済みマヨネーズボトル回収 競合の垣根を越え資源循環で協働

キユーピーと味の素は、マヨネーズにおける競合の垣根を越え、使用済みマヨネーズボトルにおける資源循環に向けた協働の取り組みを開始する。両社は、廃棄物の性質を変えずに原料として再利用するマテリアルリサイクルにより連携し、官民連携で取り組むプラットフォーム「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)」の活動として回収実証実験を開始した。

マヨネーズボトルの素材はポリエチレン(PE)だが、飲料PETボトルのような水平リサイクル(BtoB)の仕組みは確立されていない。マテリアルリサイクルによる水平リサイクルを実現するには、マヨネーズボトルと同じ素材のプラスチックを回収し、きれいに洗浄した上でリサイクルすることが必要で、そのための回収実証実験から始める。

実験では多くのデータを収集し、技術的な知見を集め、水平リサイクルを社会実装するために必要な技術を確立する。現在、使用済みのマヨネーズボトルは、可燃ごみやプラスチックごみと区分されている。これらが「ごみではなく、資源である」と社会の意識を変えることを目指し、両社は家庭での使用済みマヨネーズボトルの回収が促進されるよう、CLOMAの参画企業であるリサイクル会社や素材メーカー、流通、自治体と協力して仕組みを確立する。

ボトルは水で洗浄し、ハサミで半分に切る
ボトルは水で洗浄し、ハサミで半分に切る

7月1日からイトーヨーカドー溝ノ口店(川崎市高津区久本3-6-20)での実証実験は①フタとシールをはがす②水を1/3入れて振って洗う③ハサミで半分に切り、スポンジで洗う④乾燥させ、マヨネーズボトルのみ回収ボックスに入れる。

このほど開催した記者発表会の中で、味の素の小野郁サステナビリティ推進部長は「今回の取り組みは、両社で国内マヨネーズ市場の75%のシェアを持つ数少ない市場であることと、マヨネーズが比較的色やニオイがつきにくいことなどから実現した」とし、「まずキユーピーと開始するが、CLOMAの活動として行うため、将来的にはできる限り大きな取り組みにしたい」と語った。

また、他の業界への呼びかけについてキユーピーの浜北剛サステナビリティ推進部長は「ケチャップや焼肉のタレなども一緒に回収し、再生化しようとすると再生に問題もある。マヨネーズのようにあまり色がなく、ニオイがつかないもので、まずは再生化できるものから検証し、その方向性が見えたらケチャップや香辛料のメーカーにもお声がけすることになるだろう」と述べた。

関連記事

インタビュー特集

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。

明星食品 新提案「麺の明星 主食麺宣言!」 4つの軸の袋麺アレンジで食事性アップ

明星食品は、こだわりの麺技術で開発した商品ラインアップを全面に押し出し、新たに「麺の明星 主食麺宣言!」と銘打ったプロモーションを大々的に展開している。

イチビキ 中村拓也社長 豆みそ・たまりNo.1の矜持を 人口減睨み業務用・海外強化

安永元年(1772年)創業の醸造・食品メーカー、イチビキ。今年6月20日付で同社社長に就いた中村拓也氏は、98年入社。

「大豆ミート」対談 マルコメ・日本製鋼所 次世代型食品へ課題と提言

健康志向が高まり、プラントベースフード(PBF)にも関心が集まる中、2023年9月に大豆ミートメーカー5社が発起人となり、「日本大豆ミート協会」が設立された。

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点