商品戦略の見直しを

外食市場の回復が鮮明となってきた。日本フードサービス協会の調査では、23年の外食売上高は19年比で7%増とコロナ前を上回り、単月でもプラス成長が続く。コロナが5類に移行して1年が経過したが息切れする気配は見られない。

▼人流回復に加え、インバウンド需要が消費を押し上げる。24年の訪日外国人客数は過去最高となる3千300万人超となる見通し。かつての爆買いからコト消費に移行し、SNSでの情報拡散により都市部だけでなく全国各地にインバウンド効果が波及する。

▼円安の追い風も続く。業務用卸トップは「食材やエネルギー価格の上昇は避けられないが、訪日客の消費拡大効果は大きい。日本人の国内旅行も増えるだろう」と期待を寄せる。

▼環境が変われば、求められる商品も変わる。客単価上昇が続くホテル・レストランでは、ホタテやサーモンなどAランクの水産ブランド商材や本格派の調理品など高付加価値品のニーズが増えている。値下げ競争が続いた円高・デフレ局面とは一変し、供給サイドも円安・インフレ時代の対応に切り替える必要がある。