理想の深部体温は約37℃

今年も猛暑の見通しで熱中症対策が求められる。夏本番前だが、つい先日も校外学習をしていた小学生が熱中症になったとみられ体調不良を訴え病院に搬送された。これは暑さにカラダが慣れないことで起きたものと推察される。梅雨明け直後や梅雨の中休みの暑い日に熱中症患者が多発すると言われる。

▼暑さにカラダを慣れさせることを暑熱順化といい、これには運動により体液の貯蔵庫の役割を果たす筋量を増やすことなどが有効とされるが、いくら暑熱順化をしたとしても脱水になってしまったら元の木阿弥となる。

▼熱中症対策には普段の生活の中でカラダの水分を常に保つ意識が重要となる。脳や心臓など臓器の深部体温は約37℃が理想の状態。これは生命活動に欠かせない酵素が最も活性化する温度であり、37℃より高温・低温になると酵素活動が保てず脳や内臓の働きが低下する。

▼ただし、この37℃というのは臓器の温度であるため体温計で測定することはできない。地球温暖化で暑熱環境に置かれる機会が多くなると水分やナトリウムの補給を意識的に行う必要がある。