福岡県はこのほど、東京都千代田区の「なだ万福岡別邸」でメディア向けイベントを開催した。福岡有明のりを使った料理を振る舞ったほか、福岡県や有明海、有明のりの特徴を伝えるプレゼンテーションなどを行った。
福岡有明のりの特徴について、福岡有明海漁業協同組合連合会の西田裕一業務部次長は以下のように語った。
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有明海は福岡・佐賀・熊本・長崎の4県に囲まれた海。福岡県では大川市・柳川市・みやま市の沿岸近くにある漁場で、今年は416軒の生産者が海苔養殖をしている。
福岡県の有明海区には、九州最大の河川である筑後川と、同じく一級河川の矢部川から豊富な栄養分が流れ込む。最大6mの干満差を利用した支柱式養殖により、アミノ酸を多く含んだ柔らかい海苔が育つ。
海苔は2期作で、4月から生産準備が始まる。春から秋は牡蠣殻の中で海苔を育てる。9月から1か月かけて1漁家当たり平均2千200本、7~12mの支柱を海に立てていく。10月に採苗(種付け)。そこから23日後に2期作目の網を確保するためマイナス30度の冷凍庫に入れ、30日後には1期作目を初摘み、12月いっぱい収穫する。次に2期作目の冷凍網を海に張り込み、4月まで収穫が続く。
口溶けの良さに特徴のある一番摘みの海苔は1年に2回しか採れない。生産量全体の約10%で、年間11億枚とすると1億枚ほど。漁師が量よりも品質にこだわった結果だ。
海苔は約3分の1が食物繊維で、エイコサペンタエン酸(EPA)やタウリンなども含み、栄養面でも優れている。女性にも食べていただきたい。
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続いて焼きたて海苔の試食を行い、「一番摘みは穴が空いているのが若摘みでおいしい印」と話した。
また柳川市観光課観光地域づくり係の金子直道氏がスピーチ。「川下り」「季節の花々」といった観光資源のほか、大河ドラマの主役抜擢に期待がかかる柳川城主・立花宗茂など観光誘致につながる同市の魅力を伝えた。
なだ万が提供したコース料理には、「福岡有明のりみるく豆腐 旨だし餡」の小鉢や煮物「桜道明寺蒸し 福岡有明のり餡」など有明のりをふんだんに使ったメニューが並んだ。