ニッポンハム食の未来財団は2日、大阪市のブリーゼタワーで、保育者を対象にした食物アレルギーセミナーを開催。会場84人のほか、オンラインで288人が参加した。
あいさつに立った井出弘理事長は「食物アレルギーの診療ガイドラインが改定され、考え方や対応の仕方が大きく変化している。昨年度、9年ぶりに公立小中高を対象に行われた調査では、食物アレルギーのある児童・生徒は52万7千人で前回より12万人増えた」と現状を説明。
「特に問題となっている誤食による発症は、思い込みや周りの理解が不十分なことから起こると言われる。すべての人が正しい知識を持ち、食物アレルギーを持つ人に接することが大切だと考える」と強調した。
講演では、同志社女子大学名誉教授の伊藤節子氏が、乳幼児の食物アレルギーに関する基礎知識を説明。京都市の保育園における実態を紹介しながら、「適切な指導を受けることが安全な食事につながる。ヒューマンエラーは起こり得るので、起こしにくい献立や原材料の選別などの工夫が大切だ」と述べた。
また、大阪はびきの医療センター小児科主任部長の亀田誠氏が、参加者とともにエピペンの実演を行った。座談会では参加者からエピペンの針の太さや、子どもの反応などについて質問があった。セミナーは一昨年の京都、昨年のつくばに続き今回が3回目となる。