カルビーの「じゃがりこ」が値上げ後も数量をほぼ落とすことなく推移している――。
このほど開催された上期(3月期)カルビーグループ決算説明会で、国内スナック販売は、6月に実施した値上げ後も全体として堅調に推移し、高付加価値商品の中では「じゃがりこ」が牽引役となったことが明らかにされた。
値上げしても「じゃがりこ」が人気な理由について、11月7日取材に応じた江原信社長兼CEOは、おいしさとカップ容器を挙げる。
「新幹線などで移動する際も『じゃがりこ』はカップ入りのためテーブルに置きやすく、中身が容器から出てしまうこともなく、つまみやすい」と説明する。
スナック市場と同様に、人流回復が追い風になっている点にも触れる。
「節約志向の高まり、食品市場は全般的に買上点数が減少傾向にあるが、それほどシュリンクしている感じはしていない。一方で旅行需要は高まり、『じゃがりこ』はその最たるものだと思うが、移動時に喫食する便利なスナックの動きは悪くないと思っている」との見方を示す。
人流回復を受け、カルビーグループの店舗「カルビープラス 東京駅店」の売上は好調に推移しているという。
9月18日にコンビニで発売開始した新製品「じゃがりこ細いやつ サラダ」も「なかなかの人気」という。
「じゃがりこ細いやつ サラダ」は「じゃがりこ」のスティックを通常より細く軽やかな食感が楽しめるように仕立てられている。
カップに入ってつまみやすく、手を汚さない設計から“eスポーツのお供”の可能性も浮上。
「オーストラリアでは現在、eスポーツ人気が物凄く、食事の時間を惜しみ、スナックを喫食される方が多いと聞く。その際、『じゃがりこ』は手を汚さずeスポーツのスナックに最適。まずはオーストラリアでeスポーツ訴求をやってみるのも手かと考えている」と語る。