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加工食品菓子カルビー創立100年へ持続的成長目指す トッブダウン経営からボトムアップ経営への転換と4つの柱で実現 江原信社長が意欲

カルビー創立100年へ持続的成長目指す トッブダウン経営からボトムアップ経営への転換と4つの柱で実現 江原信社長が意欲

 カルビーの江原信社長兼CEOは11月7日取材に応じ、トップダウン型経営からボトムアップ型経営へシフトし「国内コア事業」「海外事業」「アグリビジネス」「食と健康」の4つの柱に取り組み連続成長を目指していく考えを明らかにした。

 同社は2024年4月30日に創立75周年の節目を迎える。

 今期(3月期)は、上期に好業績を収め増収増益基調で推移。江原社長は2049年の創立100周年までを見据えた連続成長にこだわる。

 「100年越えの会社は日本に4万社以上あると聞くが、成長し続けている会社は少ない。至難なことだが、今後も増収増益を図り創立100年を越えて成長し続ける会社にしていきたい」と意欲をのぞかせる。

 持続的な成長には、トップの資質に頼らない、社員一人一人が自分事化して物事を考えるボトムアップ型経営が必要だと主張する。

 「経営陣は方向性を示し、時折“チューンナップ”をする程度の役割に徹し、社員の皆さんにどんどん走ってもらえる環境を整えるのが、これからのカルビーのトップマネジメント。今まで、どちらかと言うとトップダウン経営で社員にも“言われるのを待つ”傾向がまだ残っている」と語る。

 同社は今年、成長戦略「Change2025」を遂行し持続的に成長できる事業ポートフォリオへの変革に取り組んでいる。
 「国内コア事業で創出したキャッシュを、中⻑期での成⻑領域である海外、アグリビジネス、⾷と健康領域に積極的に投下していく」考えだ。

 国内事業は、「じゃがりこ」など差別化製品の高付加価値化と「ポテトチップス」などベーシック製品のブランド強化の大きく2つの方針で取り組んでいく。

 この2つの方針を支える仕組みとして販売・稼働・供給の最適化であるS&OPの構築に取り組む。
 これについては「DXを進めて需要に対する生産対応をワンストップで行いたいが、まだ道半ば。常に最大稼働率を90%と定め、休日出勤などを入れて100%に持っていくようにオペレーションしていくため、極端に需要が跳ね上がった場合は別として、ある程度の需要急増には十分対応できるようにしていく」と説明する。

 売上拡大と利益創出の両立に向け、SKU別の損益の可視化にも取り組む。

 「今期中にはほぼ全てのSKUが見えるようになる。儲かる製品だけをやるというのではなく、見える化によって営業が効果的に販促費を出し、儲かる製品とそうでない製品の組み合わせでしっかり利益を確保していきたい」と述べる。

 利益創出には、マーケティングと営業の連携強化も奏功。同社は今年、 カルビージャパンリージョンを新設し生産・物流・販売などの組織を一本化した。

 「過去、マーケがどんどん計画して、他がそれに追いつかず欠品してしまうことがあったが、この問題がかなり解消されたのが大きなポイント。利益を意識しながらマーケ・販売するようになった結果、販促費などが抑えられ、結果として利益も出るようになった」という。

 海外は北米・中国での事業基盤を強化していく。
 「北米は今年、『かっぱえびせん』『じゃがりこ』といったロングセラーブランドがZ世代を中心に受け入れられ、好調に推移しており、現地での生産を視野に入れている。中国も日本からの輸入が滞る中、タイやインドネシアからの輸入を継続しつつ中国での生産もしっかりやっていきたい」との考えを示す。

 アグリビジネスについては「農業に参入するのではなく、持続可能な農業を実現すべく我々が出口(製品化への流れ)をしっかり整えていくのが本来の目的。今でもかなりの量がでんぷんに加工されている馬鈴薯を付加価値商品にして、農家の皆様のモチベーションを高めていく」と語る。

 ⾷と健康の取り組みでは、医療テック企業・タウンドクターへの出資を発表。「管理栄養士のサービスをセットにすることで付加価値がより高められる」ことを目論む。

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