11.2 C
Tokyo
12.5 C
Osaka
2025 / 12 / 06 土曜日
ログイン
English
トップニュース家庭用冷凍食品 セット物が100億円市場に拡大 ニップン「よくばり」シリーズ先行、各社も注力

家庭用冷凍食品 セット物が100億円市場に拡大 ニップン「よくばり」シリーズ先行、各社も注力

家庭用冷凍食品で主食とおかずをセットにしたワンプレート商材が売場を拡大している。インテージSCIデータによると、冷凍調理セット物市場の販売金額は過去5年で2倍以上に拡大し、22年度(4~3月)は100億円を超えてきた。先行したニップンが「よくばり」シリーズで首位を快走するが、22~23年にかけて業界大手が新商品を次々に投入し、市場はさらに勢いを増している。

冷凍食品の調理セット物は、「ご飯×おかず」「パスタ×主菜」などがワンプレートになっており、電子レンジ調理で手軽に食べられる。ハンバーグ、チキン南蛮、麻婆豆腐、さばの味噌煮、きんぴらなどの人気メニューがバランス良くセットされた満足度の高さがポイントだ。スーパーでの店頭売価は300円台後半が多い。コンビニ弁当や外食チェーン店との比較では価格面の優位性が感じられる。

市場規模(出典:インテージSCIより推計)は21年度約77億円、前年比140%、22年度約103億円、同133%と拡大。直近は各社の価格改定で買い控えが懸念されたものの、23年4~9月も前年を大きく上回った。

インテージ市場アナリストの木地利光氏は「手軽な価格でバランスの良い食事を摂れることが支持されているものとうかがえる」と分析する。

カテゴリーシェア1位のニップンは、上期(4~9月)家庭用冷凍食品売上のうち、ワンプレートの「よくばり」シリーズが前年同期比1・5倍以上となった。和風・洋風メニューを多彩にラインアップし、売れ筋のトップ3は「よくばり御膳 五目ご飯と鶏と野菜の黒酢あん」「同 鶏めしとチキン南蛮」「よくばりプレート 完熟トマトソースハンバーグ&ミラノ風ドリア」の順。

同社は「ワンプレートは15年から本格展開。当初は洋風メニュー中心で主婦や若年男性の購入比率が高かったが、18年に和風の『よくばり御膳』を発売しシニアの男女にも広がった。10品目以上入った満足感や環境に配慮した紙トレー使用も人気の秘訣」と話す。店頭での売行きも上々で、今秋は主力品中心にさらなる配荷拡大を図った。

ニッスイは、22年秋から人気シェフ監修の「まんぞくプレート」シリーズとして「ふっくらごはんと豚肉生姜焼き」などを展開する。釜炊きでふっくらした白ごはんと定番料理のセット。今秋は新商品「ふっくらごはんと四川風麻婆豆腐」を発売した。

ニチレイフーズは、23年秋に「三ツ星プレート」シリーズを立ち上げた。「デミグラスハンバーグ&ナポリタン」「チキンステーキ&クリームパスタ」など3品。山形工場の自家製生パスタに、業務用で培った高品質なハンバーグやチキンをセットにした。

マルハニチロの「おかずプレート」シリーズ(23年春発売)は、主菜と副菜をバランス良く組み合わせた。からだを気づかう単身世帯らの需要を見込む。今秋は「みぞれ煮風チキンカツ」と「ロールキャベツ」の2メニューを加えた。

関連記事

インタビュー特集

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。

J-オイルミルズ春山社長 次元の異なるコスト環境 油脂、価格引き上げ急ぐ

J-オイルミルズの春山裕一郎社長執行役員CEOは、油脂のコスト環境が悪化する中で、「価格改定の浸透を急ぐ」方針をあらためて強調した。

新潟・葵酒造、2年目は自社栽培米で仕込む 「Domaine Aoi」始動 「日本酒になじみがない方にも」青木代表

「飲むことで幸せを感じられるような日本酒を提供していきたい」と話すのは葵酒造(新潟県長岡市)の青木里沙代表取締役。昨年冬、JR長岡駅からほど近い場所に位置する創業160年超の旧高橋酒造から事業を引き継ぎいだ。

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。