災害「正しく怖がる」ために

モロッコで起きた地震では2千人以上が死亡する大惨事となり、約1か月前にはハワイ・マウイ島の山火事でも100人以上が死亡するなど世界的に自然災害が多発している。今年は関東大震災から100年目の節目の年にあたる。9月1日の「防災の日」前後の報道では「100年」の見出しが紙面で躍ったが、防災食の必要性を説く記事はほとんどなかった。

▼生活者調査でも、自然災害に対して不安はあるが、全体の約4割強が対策を講じていないと言う。対策も水やレトルト食品、インスタント食品にとどまり、防災食までには至ってない。スーパー店頭では防災食コーナーを設置した店も、今では秋冬の特売コーナーに代わり、早くもECによる防災食の売上もピークが過ぎた。

▼「防災の日」を境に防災食需要や防災への意識が低くなるが、災害は待ってはくれない。今のうちは大丈夫とか、自分だけは大丈夫といった甘い考えは通じない。

▼防災というとややもすると構えがちだが、起こってから慌てるのではなく、普段の生活において少しずつ防災食を取り入れ、正しく怖がることが大事だろう。