迷わず選ばれて好スタートを切った。サッポロビールでは、3月22日に発売した缶チューハイ「サッポロ ニッポンのシン・レモンサワー」の出荷数量が1か月で1300万本を突破したと発表した。
“迷わず選べる「シン・定番」レモンサワー”がコンセプトの同品。グループ企業であるポッカサッポロフード&ビバレッジのレモンのプロ「レモンマイスター」と協働で開発した。「迷える羊」となった松重豊さんが登場するTVCMもインパクト抜群だ。
売場でひしめき合うレモン系フレーバーの商品は、缶チューハイ市場の半分近くを占める大定番。市場の飽和感から、大手酒類メーカーの間では「脱レモン」の動きも進む。同社が昨年に発売したグレープフルーツサワー専門ブランド「三ツ星グレフルサワー」もその一つだ。
「レモン一極の市場が昨年には踊り場を迎え『NEXTレモンサワー』が求められている」(アサヒビール 松山一雄社長)と、競合メーカーも次なるフレーバーの開発に余念がない。
他方で「ニッポンのシン・レモンサワー」や「麒麟百年 極み檸檬サワー」(キリンビール)など、レモンフレーバーをさらに磨きこんだ専門ブランドを強化する動きも業界では相次ぐ。
サッポロビールでは「シン・レモンサワー」好調の要因について「レモンサワー市場において、商品の種類が多すぎて何を選べばよいのかわからないというお客様課題を解決すべく打ち出したコンセプトが、広くお客様に受入れられた」と分析する。
多士済々のレモン系RTDの中で、選ばれ続ける存在となれるのか――。チャレンジは始まったばかりだ。