雪印メグミルクは、弘前大学(青森県弘前市・福田眞作学長)と4月1日付で共同研究講座「ミルク栄養学研究講座」を開設し、12日に本社で設置開設式を行った。
同講座では「弘前大学COI-NEXT拠点」が持つ健康に関するビッグデータや、雪印メグミルクが培ってきた乳酸菌研究を通し、牛乳乳製品や乳酸菌などの微生物が個人や集団で異なる健康課題に与える影響を研究することで、ミルクの新たな価値創造につなげることを目的に設置された。講座は令和7年まで開設予定。
雪印メグミルクの佐藤雅俊社長は「弘前大学COI-NEXT拠点が掲げるウェルビーイングや地域社会モデルの実現は、当社の創業精神である健土健民と相通ずるところがある。企業と大学、地方自治体との交流など、組織の垣根を越えた意見の交換やアイデアの共有、知見の融合や競争を生み出し、イノベーションやミルクの新たな価値を探索していきたい」とあいさつ。「個人や団体、所属によって健康課題に違いがある。弘前大学のビックデータを活用して、まずはミルクの健康課題に対するヒントを得て、商品開発につなげたい」など目的を語った。
弘前大学の福田学長は、「雪印メグミルクとの関係は10年前に2年間寄附講座を開設してもらった縁から始まった」とし、協力して新たな知見を見いだすことに強い期待感を示した。
第2部のパネルディスカッションでは、雪印メグミルクが発見した「MBP」「ガセリ菌SP株」「乳酸菌ヘルベ」など、これまでの主な栄養機能研究を紹介。女性アスリートが「MBP」を配合したドリンクを摂取して骨質が優位に改善された事例などが紹介された。栄養や健康の啓発活動に向けては、雪印メグミルクマーケティング部の春田裕子氏が「昨今の行動自粛で、運動不足や食生活の乱れ、転倒による骨折など健康2次被害が発生している。健康に留意できていない人もそれに気づくことが課題。牛乳乳製品を取り入れたバランスのいい食生活を一方的に発信するのではなく自分ゴト化していくことが重要」と語った。