22年のパスタ市場は、コロナ禍3年目に入り業務用が徐々に回復する一方、家庭用はデュラム小麦などの高騰を理由とした製品値上げにより消費者の節約志向が進んだ影響を受けた。
市場調査会社インテージの調べによる22年(1~12月)パスタ市場規模は、前年比3.2%増の418億1千600万円に。インテージでは「平均容量単価は前年の109.4%と市場規模以上に伸びていることから、値上げの影響により市場規模は拡大したものの、販売数量では苦戦が見てとれる」と分析している。足元では、新値が定着した秋以降は再び需給状況が活発になっている。
日本パスタ協会の発表によると、今年1月のパスタの国内供給量は1万9千406t(前年同月比8.7%減)。内訳は国内生産量が1万1千271t(2.3%増)、輸入量が8千154t(20.7%減)、輸出量が19t(54.8%減)だった。全体では数量を減らしたが、早ゆで、結束などを中心に品揃えが進む国内産パスタの堅調ぶりが目立っている。
輸出量の国別内訳は、イタリアが4千116t(2.0%減)、トルコが2千916t(38.1%減)、米国が839t(21.2%減)と主要3か国からの輸入量が減った。CIF価格は205.9円と続騰。前年同月より70円以上と大幅上昇した。イタリアが221.4円/㎏、トルコが161円/㎏、米国が303円/㎏だった。
1~2月の国内産パスタ用途別生産量は2万1千568t(前年同期並み)で、家庭用比率が55.4%。業務用生産量は14.4%伸長し、比率は前年同期と比べ3.9ポイント上昇。外食や中食需要の回復ぶりがより顕著だ。