ホッピービバレッジ・石渡会長逝去 中小飲料の発展にも尽力 10月に「お別れの会」

石渡光一ホッピービバレッジ代表取締役会長はかねてより病気療養中のところ、8月16日午前0時35分死去、84歳。葬儀は近親者によって執り行われ、お別れの会を10月18日15時から帝国ホテル(東京都千代田区内幸町1―1―1)東京本館3階「富士の間」で開かれる。

石渡氏は1936年(昭和11年)東京都に生まれ、証券会社勤務後、67年に父が営むコクカ飲料(現ホッピービバレッジ)に入社。79年に2代目社長に就任し、焼酎割飲料のホッピーの拡販に全力を注いだ。ホッピーの歴史や大手飲料メーカーに対抗した苦労話などを聞くと笑顔で答え、屈託のない人柄だった。

商売のかたわら、ラムネやシャンメリーなど中小企業分野調整法で守られてきた飲料の発展にも尽力した。中小企業の組織、会員の振興にも多大な功績を残し、全国清涼飲料協同組合連合会理事長や全国清涼飲料連合会副会長などさまざまな役職を歴任。業界会合の中締めには決まっていつも石渡さんに指名がかかり、毎回違った中締めを披露するなど業界からも慕われた。

2010年(平成22年)に一人娘の石渡美奈さんに社長業を任せたが、社内改革やホッピーの斬新な広告戦略でイメージアップに取り組む社長を見て、「私は口を出さない」ときっぱり。その後は代表取締役会長として社長を支えた。会長就任以来、業界の会合には2人揃って顔をみせたが、美奈さん(ミーナ)は自慢の娘だったろう。2011年には食料品加工業振興の功績による旭日小綬章を受章した。