今年の家庭用チルド麺市場は、9月初旬から気温が低下傾向にあることから、秋冬商品の需要に期待が高まっている。近年は残暑対策に追われがちだったが、「本来はシーズンインから温かいラーメンやうどんがしっかり売れるのが好ましい」(上位メーカー)。各社は定番商品や新商品の売り込みに力を入れている。
チルド麺の需要は気温の変化に左右されやすい。今夏は事前に想定されたほど猛暑にならず、雨も多かったため、冷し中華などの涼味麺は苦戦した。特に6~7月は昨年が高水準だった反動で二ケタ減(業界推計、以下同)を余儀なくされた。
ただし、ラーメン類は4~7月累計で前年クリアと堅調。取材では「麺類そのものの需要は底堅い。昨年より暑い日が減ったことで、消費者が冷し中華ではなく温かいラーメンを食べる機会が増えた」との見立てが聞かれた。
日清食品チルドは、「行列のできる店のラーメン」発売30周年を記念した施策に注力する。商品では“こってり”のおいしさをテーマに、お祝い感のある厳選素材で仕上げた「こってり海老だし醤油」と「こってり鯛だし豚骨」を新発売。それぞれ東の逸品、西の逸品と銘打ち、店頭で東西食べ比べ企画も予定する。
人気店「AFURI」の看板メニューを商品化した「柚子塩らーめん 2人前」も注目を集める。“魚介×柚子”の淡麗スープに小麦ふすま入りの麺を合わせた。
東洋水産は、大黒柱の「マルちゃん焼そば3人前」シリーズを中心としたチルド麺の価値訴求に注力するとともに、ラーメン類の拡充も推進。
直近では「フライパンでお手軽!」シリーズの売れ行きが良い。春発売の「同 焼ちゃんぽん」が好調で、今秋は「同もやしがおいしいあんかけラーメン」と「同 白菜がおいしいラーメン」をリニューアル。手軽にたっぷりの野菜と食べられることをアピールする。
シマダヤは、秋冬に向けて生中華カテゴリーを強化。3食入りの「本生」ラーメンはブランドコンセプトを“わが家の一杯”に変更し、「わが家の一杯『本生』」シリーズとして「つけ麺 魚介豚骨醤油味」と「まぜそば 鶏ガラ醤油味」を新発売した。
同社は「取引先からは経済性に加え、端境期の需要が見込める商品としても評価していただけた」と手応えを話す。
「流水麺」の秋冬における食べ方提案も重点施策。9月からの季節限定パッケージにキャッチコピー「温かいつゆでほぐすだけ」と“ホットめん”のシズルを入れた。「最需要期の春夏にご愛顧いただいているお客様を中心に、秋冬は温かいつゆでも手軽に食べられることを訴求する。10月以降、プロモーション等の活性化策も検討中」(同社)。
