イオンは8月27日、都内で「トップバリュ 秋以降の価格戦略と新商品に関する説明会」を開いた。物価高が続く中、9月からトップバリュ145品目を期間限定で値下げするほか、115品目の増量企画を展開する。商品設計や調達、製造、包装などを見直して価格対応を強化する一方、冷凍納豆など秋の新商品を投入し、価格と価値の両面から需要を喚起する。
説明会では、イオントップバリュの土谷美津子社長が足元の消費動向や商品政策を説明。食品の値上げが相次ぐ中、消費者の価格志向が強まる一方、「単に一番安いものだけが選ばれるわけではない」とし、価格に加えて品質や安心感、使い勝手などを含めた価値を提供する重要性を強調した。

値下げは9月2日から実施する。原材料価格や物流費、エネルギーコストなどの上昇が続く中、調達や商品設計、製造工程などを見直し、日常的に購入する商品の買いやすい価格を追求する。増量企画は同16日から115品目を対象に展開し、物価高による家計負担の軽減につなげる。
既存商品の容器や包装の見直しも進める。7月にはそば類のつゆカップや冷やし中華の中皿、焼きそばの容器などを簡素化。品質やおいしさ、使いやすさに必要な機能を維持しながら資材を削減し、価格維持につなげた。
同社はこうした商品企画や製造工程の見直しを「エコノミー&エコロジー」と位置付ける。包装を必要な分だけに簡素化した商品のほか、未利用原料を活用して食品ロス削減を目指す「もったいないをおいしく」シリーズなども展開する。
一方、価値面では、生活者の食べ方や商品選択の変化を捉えた開発を強化する。同社ではトルティーヤやピタパン、ホットドッグロールなどが伸長しており、「巻く」「挟む」「のせる」といった食べ方の自由度が支持につながっていると分析。既存カテゴリーでも用途を広げる提案によって新たな需要を開拓する。
秋の新商品では、冷凍することで製造日から365日の長期保存を可能にした納豆を発売する。必要な分だけ解凍して食べられる設計とした。
開発のきっかけは海外事業会社からの要望。海外で冷凍納豆が販売されていることに加え、国内でも3パックを食べ切れないといった生活者のニーズを踏まえ商品化した。トレーを使用しないことで包装資材の削減にもつなげる。土谷社長は「最初はニッチかもしれない」としながらも、将来的には大きく育成する考えを示した。

このほか、カカオを使用しない代替菓子「チョコか?」の新商品、ペースト状のホットソース、使いたい分だけ使えるチューブタイプのトマトミックスソース、レンジ調理のパスタ、平飼い卵を使用したカスタードプリンなどを投入する。
原材料や製法を重視する消費者ニーズにも対応する。発色剤を使用しないハム・ソーセージが伸長していることなどを踏まえ、不要な添加物をできるだけ使用しない「フリーフロム」の商品開発も強化する。価格対応と新たな価値提案を並行して進め、トップバリュの販売拡大につなげる。
