富山県で、がごめ昆布が養殖されている。生息地(北海道南部や青森県の一部)以外では国内初で、2024年から本格的に生産している。背景には地球環境の変化による全国的な水産資源の減少がある。
昆布巻きなども扱う富山の「かね七」はそのがごめ昆布を買い取り、地域の取り組みを支援している。今年7月、その富山産がごめ昆布を使用した流通商品第1弾「昆布あめ」を地元で先行発売した。その他、がごめ昆布の粉末を使用し、その性質を生かした伸びるアイスクリームを地元の高校生が開発するなど、地域の活性化を見据えた産官学の連携が深まっている。
富山市は昆布の消費額が日本一。ただ、北海道が主の昆布は不漁が続き価格高騰、漁師の仕事減などが課題となっており、行政を中心に地元ではがごめ昆布を富山の新しい特産品に成長させ、漁師の新たな収入源など地域全体の経済貢献を見据えている。
富山では以前は昆布の生産はなかったが、養殖の成功以来、富山のがごめ昆布生産量(4~5月に収穫)は、24年に105㎏、25年に182㎏、26年には新たに始めた真昆布も合わせて250㎏と増加している。ただ、商品化にはまだ少ないのが実情で、かね七では漁師などへの様々な支援や子ども向けセミナー開催を通して認知拡大を図り、2040年に県内昆布で10tを目指し、今後も新たな商品開発を計画している。
また、がごめ昆布の養殖は環境改善にも貢献する。海洋の二酸化炭素を吸収・貯留するブルーカーボンの役割を果たし、10tの生産で、海洋CO2約1tを吸収できる。
7月25日開催した親子向け「第2回ブルーカーボンセミナー」では、かね七による「地域の脱炭素(SDGs)の活動」の説明の他、富山県環境科学センターによるブルーカーボンと富山の水環境などの講義もあった。
がごめ昆布の商品化では、同社は第二弾以降の開発もしており、当日は参加者に試食提供するなど意見交流も図った。
また、がごめ昆布の粉末をアイスクリームに混ぜて伸びる昆布風味のアイスを開発したのが富山県魚津市の新川(にいかわ)高校コミュニティビジネス部。「地域の課題を地域で解決する」をテーマに活動・開発し、現在は地域のイベントなどにキッチンカーで出店し、大変好評を得ているとのこと。
