永谷園の主力商品を生産する永谷園フーズは、3月から高萩工場(茨城県高萩市)を本格稼働した。新工場は、旧茨城工場(同)に代わる新たな生産拠点で、生産性に加えて従業員の働きやすさを考慮した安全・安心で高品質なモノづくりを実現。同社は、重量物移動作業の軽減を含む作業環境の改善を通じ、モノづくりを担う人材の確保も目指す考えだ。
高萩工場の所在地は茨城県高萩市赤浜2071の25。2025年7月に竣工し、3月から本格稼働した。敷地面積4万4923㎡、建物面積1万4987㎡、従業員数111人(6月時点)。「お茶づけ海苔」の大ロットでの一貫生産を行う工場で、「お茶づけ海苔8袋入」のほか、「さけ茶づけ6袋入」や「フリーズドライあさげ8袋入」、また「おとなのふりかけ」シリーズを含む永谷園の主力商品を生産する。生産能力は1日当たり190万食(5月時点)。旧工場に比べ2割の増産に対応可能という。
永谷園フーズは今回、グループ初の自動倉庫を導入。自動搬送ロボットなどを導入することで段ボールのパレット積みから自動倉庫への入庫までを自動化した。また基幹システムと連動したMES(製造実行システム)を構築して導入。すべての生産設備、自動倉庫と連携し各工程を管理、監視できるようにした。

塩、砂糖など大量に使用する原料の投入も合理化した。1バッチにつき1フレキシブルコンテナ(フレコン)をつど開梱し混合機に投入していたが、新工場では入荷したフレコン原料をサイロに投入、保管。生産時にサイロから自動で切り出して計量し、空気輸送で混合機に投入できるようにした。フリーズドライ粉末みその投入もクラフト袋からフレコンへの変更による合理化を実現。「おとなのふりかけ」の包装ラインには、パレットを使わずに複数の原料を小袋に直充填できる包装機を新規導入した。

品質管理については、グループ全体で独自の品質保証システム(NAFSAS)を運用するほか、高萩工場ではフードディフェンス対策として監視カメラの積極導入や入退出管理の徹底、さらに誤投入の防止などの取り組みを進める。環境については、グループ全体、永谷園フーズの取り組みに加え、高萩工場では太陽光発電導入、空調機の省エネ化を進める。
永谷園フーズは7月1日、新工場のメディア向け見学会を開いた。増田尚弘社長は高萩工場について「安全・安心、高品質を満たしながら効率よく生産し、お客様においしさを届ける最前線となる工場」と紹介した。一方、「優秀な従業員が育っていかないと、工場自体を回していけない時代に入ってきている」と指摘。従業員の働きやすさを向上させ、優秀な学生の採用、人材の確保につなげる狙いも示した。
瀬戸陽一工場長はさらに工場にとって重要なものとして「モノづくり」を挙げたうえで「将来の飛躍の土台となるのは従業員一人ひとりのマナー。ルールではなく自分たちが自発的に行うマナーが非常に重要」と強調。「従業員の作業環境を一番に考えるのは私どもの務め」とする一方、「すべての従業員が同じ方向を向いて職場風の改善を進めていきたい。明るく楽しく、アグレッシブに、前向きに進んでいきたい」と語った。
