味の素AGFは7月、スリーピースとスポンサー契約を締結し、スリーポイントシュートを1本決めるごとに寄付を積み立てる「スリーピース」募金活動を支援する。
「スリーピース」募金活動は、味の素AGFがオフィシャルパートナーを務める群馬クレインサンダーズ所属の辻直人選手が2019年に個人で始めた活動。
2026年3月に一般社団法人化し、辻選手が代表理事を務める。
味の素AGFは今回の締結を地域貢献活動の一環と位置付けており、今後は地域貢献活動の枠組みを超えた幅広い社会貢献活動へと発展にも期待を寄せる。
契約締結の後押しとなったのは辻選手の志の高さだったという。
味の素AGFの中澤正規常務執行役員は「辻選手自らスリーポイントシュートを集計し、募金活動や寄付金の送金まで全て手掛けていることを知り、地に足がついた個人の志の高さに共感した」と語る。
辻選手の場合、スリーポイントシュートを1本決めるごとに3333円を積み立て、これに試合会場などで集められた募金を加えて、シーズン終了時に病院や児童養護施設の子どもたちへ一部寄付しているほか、バスケットボール用品を贈るなどしている。
辻選手がスリーピースの始めたきっかけは、脳の病気を患う子どもを持つ母親から、クラブを通じて辻選手への応援メッセージの依頼が寄せられたことだったという。
その子どもは辻選手の大ファンで翌年3月の試合観戦を目標に厳しい治療に向き合っていた。辻選手が励ましのメッセージビデオを送ったところ、数か月後、その子供は家族とともに実際に試合観戦を訪れたという。
昨年開催されたバスケットボール体験会で辻選手は「人の命に触れた経験はその時が初めてで、一人の少年に限らず、全国の多くの子どもたちに何かできたらという想いから始めた」と述べる。
現在は、チームメイトの谷口大智選手も「スリーピース」募金活動に参加している。スリーポイントシュート1本ごとの寄付金額は辻選手への敬意も込めて2222円と設定し、昨シーズンは約6万円を寄付した。
6月22日、取材に応じた谷口選手は「社会貢献したい気持ちは常に持っている。スリーピースや『はいるかな』を活用しながら、私が取り組みたい子どもへの支援を続けていきたい」と意欲を示す。
「はいるかな」は、谷口選手が著作・監修の絵本。コンプレックスに悩んでいる人たちに「コンプレックスは長所」とのメッセージを伝える内容で2024年11月に発刊された。
今後は、群馬クレインサンダーズとの活動などを通じて「スリーピース」募金活動の周知と支援の輪の広がりを図る考えだ。
「代表理事の考えと一致しているかはわからないが、スリーピースはバスケットボールの枠を超え、スポーツ界全体に広がっていく可能性があると思う。活動の趣旨からしてもそうした広がりを持つ取り組みではないか。」と中澤常務は述べる。
スリーピースは7月19日、オープンハウスアリーナ太田(群馬県太田市)で、年齢・性別・障がいの有無を問わず誰もが楽しめる全員参加型チャリティ・スポーツフェスティバル「スリーピース大運動会」を主催する。
参加者全員が入場時に赤チーム(辻組)か白チーム(谷口組)に分かれ、各種目の合計得点で優勝を争う。
スリーピースの窓口を務める辻大地氏は「『スポーツを通じて社会貢献を』というスリーピースの理念を体験できる場として企画されたもので、障がいのある方もない方も、大人も子どもも同じフィールドで楽しみながら交流できるインクルーシブなイベント。『スリーピース』募金活動をB.LEAGUEに広げていきたい」と力を込める。
